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<写真:khmertimeskh>
CBREカンボジアが発表した最新分析によると、米国ドナルド・トランプ次期政権の経済政策が、カンボジアの貿易および投資動向に影響を及ぼす可能性がある。
米国の保護主義的政策の強化がカンボジア輸出に逆風をもたらす一方、米国消費の回復や米ドルの強化は一部で好材料となる可能性も指摘されている。
「CBRE Viewpoint: What Trump 2.0 means for Cambodia’s Market」によれば、トランプ氏の再登場は米中関係やグローバルサプライチェーンを含む世界経済に広範な影響を与える。
同政権は企業および消費者向けの減税策を推進すると同時に、輸入品に対する関税を引き上げる可能性が高い。
特に保護主義政策が進展すれば、米国市場への依存度が高い国々は供給網の米国内回帰に直面し、戦略的な課題を抱えることになる。
これにより、中国やアジア太平洋地域の製造業者は生産コストの増加を余儀なくされ、供給網の多様化が求められる。
米中貿易関係の変化は、製造拠点の移転を通じてカンボジアに間接的な利益をもたらす可能性がある。
報告書では、インドやベトナム、タイ、マレーシアとともに、カンボジアがコスト競争力のある選択肢として注目される可能性が高いと指摘している。
加えて、投資優遇措置、労働力の確保とコストの低さ、不動産の供給力、インフラの改善などが、カンボジアの魅力を高めている。
しかし、カンボジアの中国投資への依存は米国経済政策の影響を受けやすいというリスクも存在する。
報告書は米中緊張が悪化した場合、中国経済の成長が鈍化し、中国からの対カンボジア投資が減少する可能性があると警鐘を鳴らしている。
さらに、トランプ政権が「中国+1」政策に基づくアジア太平洋地域の供給網にも関税を課す可能性がある場合、カンボジア製造業は中国からの部品供給に依存しているため、大きな打撃を受ける恐れがある。
また、トランプ政権の「アメリカ・ファースト」政策は、海外支援や多国間イニシアチブへの資金提供を制限する可能性も高い。
これにより、カンボジアが米国から受けてきた医療や教育分野の支援が減少し、市場の効率性や長期的な発展が阻害される懸念がある。
一方、米国市場の回復が進めば、カンボジア輸出に好影響を及ぼす可能性もある。
2023年のカンボジアから米国への輸出額は89億ドルに達し、全輸出額の39.3%を占め、主要輸出品は繊維製品、機械類、履物、プラスチック製品であった。
トランプ氏の企業減税や規制緩和が消費を刺激すれば、これら輸出品への需要が増加する可能性がある。
さらに、カンボジアは米ドルを二重通貨として利用しているため、米ドル相場の安定化が世界市場の不確実性を緩和し、外国からの投資を引き寄せる効果が期待される。
CBREの分析は米国の経済政策がカンボジアに及ぼす影響を包括的に示すものであり、同国の輸出主導型経済における重要な指針となる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。