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<写真:Khmer Times>
11月5日に予定されている米国大統領選挙は東南アジア地域全体、特にカンボジアにおいて注目されている。
米国はカンボジアの主要な輸出市場であり、海外直接投資(FDI)の大きな源泉でもあるため、その選挙結果がカンボジア経済に与える影響は避けられないと見られる。
米国がカンボジア経済にとって重要な理由は、同国がカンボジアの主要輸出品の大手購買国である点に加え、米ドルを共有する経済関係にあることが挙げられる。
米国で選出される次期政権が形成する経済政策は、カンボジアのマクロ経済動向にすぐさま反映され、その影響は長期的にも及ぶ可能性がある。
東南アジア地域の専門家によれば、民主党のカマラ・ハリス氏が次期大統領に選出されれば、米国企業による自由貿易と投資政策が継続される可能性が高い。
一方、共和党のドナルド・トランプ元大統領が再び当選すれば、米国経済の保護主義が強まり、米国外の市場に対する恩恵が減少する可能性がある。
ASEAN Briefingは15日の記事で「米国の貿易政策がどのように変わるかは、東南アジア市場の今後の経済見通しを予測する上で主要な懸念事項である」と報じていた。
同地域はこれまで、経済のグローバル化を促進する政策の影響を強く受けてきたが、現在は米国への輸出依存度が高い。
特に繊維、電子機器、農産物といった主要産業において、新たな保護主義的政策が導入されれば、これらの製品の競争力が低下するリスクがある。
また、米中貿易戦争が続く中、米国が中国に対する関税を引き続き課す場合、カンボジアのような中国プラスワン政策の恩恵を受けている国々にも悪影響が及ぶ可能性がある。
このような状況では、中国と連携する東南アジア諸国の製品に対する需要が減少する懸念が高まる。
さらに、世界銀行が10月発表した「東アジア・太平洋経済アップデート」でも、米中間の貿易摩擦が東アジア諸国に新たな機会を提供していることが指摘された。
同報告によれば、ベトナム企業の対米輸出は2018年から2021年の間に他地域への輸出と比べて25%近く成長した。
しかし、原産地規則の厳格化や輸出制限の導入により、こうした貿易の恩恵が制限される可能性がある。
ASEAN Briefingによると、選挙結果によっては米国が多国間貿易協定への関与を強化し、東南アジア地域の経済成長見通しに大きなプラスの影響を与える可能性があるという。
特に地域包括的経済連携(RCEP)などの枠組みに参加するASEAN諸国は、米国との貿易関係の強化と投資環境の改善が期待可能である。
米国からのFDIも、東南アジア地域の成長を支える重要な要素であり、カンボジアにおいても製造業やインフラ、技術分野で大きな役割を果たしてきた。
今後の米国の貿易政策が自由化に進むか、あるいは保護主義に傾くかにより、同地域への資本流入に大きな影響を与える。
もし米国が経済的なナショナリズムに向かい、製造業の国内回帰を促進する政策を採用すれば、東南アジア諸国はFDIの減少に直面する可能性が高い。
特に米国市場に依存する電子機器やアパレル製造業は、大きな打撃を受けることが予想されている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。