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<写真:Khmer Times>
カンボジア開発資源研究所(CDRI)はこのほど、過去20年間における外国直接投資(FDI)の動向を分析した報告書『20 Years of FDI in Cambodia: Towards Upper Middle-Income Status and Beyond』を公表した。
報告によれば、FDIの大半がプノンペンやシアヌークビルといった首都圏および沿岸地域に集中しており、特に縫製業を中心とした製造業への投資が顕著である。
FDIはカンボジア経済の中心を農業から産業・サービス業へと転換させる主要な原動力となってきた。
これに伴い、農村部から都市部への労働力移動が促進され、縫製・履物製造、建設、サービス業などの分野において雇用が拡大した。
結果として、形式的雇用の増加とともに賃金水準の向上が見られるが、女性の賃金は依然として低水準にとどまっている。
一方、農業分野へのFDIは全体の約5%に過ぎず、投資の多くはゴムやキャッサバなどの換金作物栽培に向けられている。
こうした投資には、土地をめぐる紛争や生物多様性の損失といった社会的・環境的な問題も伴っている。
また、報告は特別経済区(SEZ)がFDIの誘致および経済の多様化に一定の成果を上げていると評価しつつも、その潜在能力が十分に活用されていない可能性を指摘している。
FDIを呼び込む要因としては、政治的安定性や積極的な政策運営が挙げられるが、熟練労働者の不足や制度面での停滞が依然として短期的な課題となっている。
これらの課題に対応するため、カンボジア政府は新たな投資法を制定し、先端技術分野への投資促進、投資優遇措置の見直し、地方レベルでのガバナンス強化などを進めている。
経済アナリストのトム・ゴー氏は「FDIが首都や沿岸地域に集中するのは自然な現象であり、産業化は一般に権力中枢や港湾に近い地域から始まる」と述べている。
政府はこうした地域偏重を是正すべく、全国を対象とする成長モデルの構築を模索しており、最近では北東部州を対象としたSPINプログラムを始動させた。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。