米国の新通商政策下で競争力再評価、関税見直しが輸出と投資の機会に

米国の新通商政策下で競争力再評価、関税見直しが輸出と投資の機会に
2026年03月11日(水)00時00分 公開
米国の新通商政策下で競争力再評価、関税見直しが輸出と投資の機会に

<写真:khmertimeskh.com>

 

カンボジア経済は、米国の通商政策の急激な転換により、新たな不確実性と機会の局面に入っている。2025年以降、米国の関税制度が短期間で二度見直されたことで、世界の貿易環境は再び大きく揺れ動いている。

 

2025年4月2日、ドナルド・トランプ米大統領は対米貿易黒字の大きい国を対象とする「相互関税」の導入を発表し、カンボジアには最大49%の関税が課される方針となった。その後の交渉の結果、同年8月には関税率が19%まで引き下げられ、輸出競争力の大幅な低下は回避された。

 

しかし2026年2月20日、米連邦最高裁判所はこの相互関税制度を違憲として無効と判断した。これを受けて米政権は新たに世界共通の追加関税(10~15%)を導入した。その結果、カンボジアの実質的な関税負担は従来の19%よりも軽減され、主要競合国との格差も縮小することになった。

 

輸出はむしろ拡大傾向を示している。カンボジア税関総局によると、2026年1月の対米輸出額は12億8000万ドルで、前年同月比47.6%増となった。総輸出に占める米国向けの割合は43.9%に達し、前年の37.7%から上昇した。縫製品や履物、旅行用品など主要産業に対する米国需要は依然として強い。

 

金融市場も政策転換に敏感に反応した。最高裁の判断後、米国株式市場ではS&P500指数が0.7%上昇するなど一時的に楽観ムードが広がったが、新たな世界関税の発表後は下落に転じた。一方、香港のハンセン指数や韓国のKOSPIは比較的堅調な動きを示した。

 

世界市場が大きく変動する中でも、カンボジア証券取引所指数は比較的安定した推移を見せている。19%関税が確定した2025年8月には月間で約0.1%上昇し、2026年2月も月初から月末にかけて約1.1%の上昇にとどまるなど、外部ショックの影響は限定的である。

 

在カンボジア米国商工会議所会頭でカムエド・ビジネススクール学長のケーシー・バーネット氏は、新関税制度によってカンボジアの相対的な立場が改善する可能性を指摘する。従来は中南米やトルコ、エジプトなど一部の競合国が約10%という低関税で輸出していたが、新制度では各国に最恵国税率に加えて最大15%の追加関税が適用されるため、競争条件がより均等化するためである。

 

もっとも状況は依然として流動的である。今回の関税措置は米通商法122条に基づく最大150日間の暫定措置であり、政権は不公正貿易を理由とする301条調査など、別の手段を用いる可能性も示唆している。

 

米国市場への依存度が高いカンボジアにとって、対米経済関係の維持は極めて重要な課題である。専門家は、米企業にとっての事業環境を改善することが重要であると指摘する。ICT機器や農業資材、医療機器、医薬品など米国製品に対する輸入許認可の簡素化や透明化が、投資誘致と二国間関係の強化につながるとみられている。

 

過去30年間、米国市場はカンボジア経済の成長を支える柱であった。関税制度の再編が続く中で、同国が競争力の維持と産業投資の拡大を通じ、不確実性を新たな成長機会へと転換できるかが問われている。

 

 

 

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