供給過剰でも売れる物件の条件とは、購入者が激変した市場の実態

供給過剰でも売れる物件の条件とは、購入者が激変した市場の実態
2026年05月27日(水)00時00分 公開
供給過剰でも売れる物件の条件とは、購入者が激変した市場の実態

<写真:khmertimeskh.com>

 

カンボジアの不動産市場では、購入者の行動変化を背景に市場の成熟が進み、需要は投機的な案件から実需に基づく質の高いプロジェクトへと移行している。


不動産情報サイトを運営するトム・オサリバン氏は、住宅市場全体としては供給過剰の状態が続いていると指摘する。


一方で、立地や価格設定が適正で、実績ある開発業者による質の高い案件には、国内外の買い手から安定した需要があるとした。


現在の供給過多は、新型コロナウイルス禍以前に開始されたプロジェクトが遅れて完成したことが主因であり、当時の市場環境下で経験の浅い開発業者による投機的な開発も多かったという。


こうした状況を受け、購入者はより慎重かつ選別的になっている。信頼できる開発業者、建設品質、適正価格、支払い条件、居住や投資目的に合致する設計など、基礎的条件を重視する傾向が強まっている。


今後3~5年について同氏は、市場はより持続的で規律ある成長に向かうとの見方を示した。開発業者は事前に市場需要を精査する傾向が強まり、価格や商品設計の精度向上が進むとする。


また、開発の焦点は手頃な価格帯に加え、生活の質や利便性の向上へと移行しており、ウェルネス施設や公園、商業施設、コミュニティ空間などの整備が進む見通しである。


首都プノンペンでは、今後の成長はインフラ整備に沿って進むとみられる。特に東部および南東部への拡大が続き、コー・ノレアや国道1号線沿線、60m道路周辺では、交通網の改善を背景に住宅や複合開発の需要が見込まれる。


地方では、リゾート向け別荘の需要も着実に拡大している。沿岸部のプロジェクトは地元購入者を中心に好調であり、島しょ部での新規開発計画も進行中である。


一方、海外投資家の間ではカンボジア市場に対する認識が課題となっている。


東南アジアの投資先として十分に検討されないケースが多いが、実際には若年人口の増加や都市化の進展、投資環境の整備、資本移動の容易さ、周辺国と比べた価格の割安感などが存在する。


このため、市場を理解する投資家の間では、近年は過去10年で有数の購入機会と捉える動きも出ている。新規投資家の参入も徐々に増えている。


購入者行動の変化も顕著である。従来は情報不足から広告や投機的心理に基づく意思決定が多かったが、現在は開発業者や価格、立地、法的条件を比較検討し、自身の生活や投資目的に適合するかを重視する傾向が強まっている。


その結果、市場分析や法的支援を提供する専門業者の役割が重要性を増している。


物件タイプでは、従来通り低層住宅が主流である一方、中間層以上を中心にコンドミニアム購入の動きも拡大している。


都市生活への志向や利便性の高さが背景にある。海外投資家はプノンペン中心部やシェムリアップ、シアヌークビル、カンポットといった主要観光地に関心を示している。


また、不動産・建設分野の関係者を集めた交流イベントには多数が参加し、市場が引き続き関心を集めていることが示された。市場は課題を抱えつつも、一定の活力と持続性を維持している。

 

 

 

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