国際人権の日 行進行われず

国際人権の日 行進行われず
2016年12月11日 00時00分 公開
国際人権の日 行進行われず

先週土曜日の国際人権の日に、プノンペン市のフリーダムパークで人権団体が集まった。しかし、「もし行進を行えば“それなりの手段”を講じる構えだ」と、政府から警告されたことを受け、公式に予定していた行進を撤回した。

市役所は「行進は必ずしも必要ではない」と却下。人権団体はイベントに先立ち、「自由公園に約5千人が集まり、南からワット・ボトムへかけて2.5㎞行進する」と発表していた。



 

しかし、土曜の朝に集まった人々はおよそ1,000人にとどまった。
これを受け、団体による行進は取りやめになった。

カンボジアの人権団体(CHRAC:Cambodian Human Rights Action Committee)を指揮するイェング・ピッチ氏は、「今は慎重にならざるを得ない。投獄されているメンバーを開放するための政治的な交渉を行っていく必要があるからだ。」とコメントしている。

「行進はしなかった。権力へ逆らうような真似はできない。もしそうしたら、逮捕された5人の処分に影響を与えるかもしれない。」と語った。

現在逮捕されている5人について、4人は現在も活動しているメンバーで、一人は別の人権団体で以前活動していたと伝えられている。5人は、ある女性に贈賄した罪で逮捕されている。現在26名が逮捕されており、人権団体のLicadhoから政敵とみなされており、そのほとんどが野党党員である。

土曜日、別の場所で集会決起しようと試みた者もおり、カンボジア開発評議会の近くなどでも人々の姿が見られた。

フリーダム・パークでは、CHRAC代表のヨン・キム・エング氏は、六月に殺害された政治アナリストのケム・レイ氏を引き合いに出して、「今年我々は、人権団体活動家の逮捕、政治アナリストや環境保護活動家の殺害、政治家の刑務所送りを目にしてきた」と言い、「今、我が国の人権に対する考え方は、過去に比べて最悪だ。」と強調。しかし、彼の主張に対して多くの市民は、「レイ氏は政治的な理由が原因で殺害されたのではないか」とみているようだ。

人権活動家のモエウン・トーラ氏は「市民、特に何かを訴えかけている人々に対する政府与党からの抑止や強制が多すぎる。まるで我々のことを何も信用していないかのようだ。」と訴えた。

プノンペン市役員のミーン・チャナダ氏は市役所が出した行進禁止を擁護し、「街の安全と秩序を守っているのだ。我々が一体何の権利を抑圧したというのだろうか。」とコメントしている。

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