タクシー運転手殺害の日本人、初公判行われる

タクシー運転手殺害の日本人、初公判行われる
2019年09月13日 00時00分 公開
タクシー運転手殺害の日本人、初公判行われる

<9日、警察が2人の被告を法廷へ連行する様子(写真提供: KT / Chor Sokunthea)>


9日、シェムリアップ州裁判所は、日本人がシェムリアップでタクシー運転手を刃物で殺害した事件の初公判を行なった。


今年3月、裁判所はタクシー運転手のHoem Chanさん(41)を計画的に殺害した罪で石田礼門被告(24)と中茎竜二被告(24)を起訴した。


3月17日、両被告はPuok地区で被害者をナイフで殺害し、タクシーで現場から逃走した後、逮捕されたという。 被告らは車両を奪い逃走した後すぐに衝突事故を起こし、逮捕された。


3月、捜査を行ったシェムリアップ警察のPhoeung Chendareth署長は、両被告が3月12日にタイに到着し、4日間滞在した後、3月16日に国境を越えてシェムリアップに向かったと述べた。


同署長は、3月17日に両被告は盗むことを目的にSUV車を探していた所、被害者のChanさんを見つけ、30ドルで雇い、アンコールワットやその他の観光地を訪問させたと語った。


午後5時頃に両被告は被害者にPuok地区の市場に連れて行くよう頼み、人影のない場所で停車するように頼んだという。

 


<9日、裁判所の外で記者と会話をする被害者の妻であるSok Chanroeunさん(写真提供:KT / Chor Sokunthea)>


その後、車両を盗もうとした両被告が運転手のChanさんに摑みかかり、中栗被告が被害者の喉を切り裂いて殺害したと同署長は述べた。


同署長は、両被告は道路に遺体を投げ捨て、盗んだ車両で逃走したと続けた。


殺人現場を目撃した通りすがりのバイク運転手が警察に通報して事件が発覚したという。


石田被告はシェムリアップ市に向けて車を走らせたが、約300メートル進んだところで車両の制御を失い、トラックに衝突したと同署長は話した。


通報を受けて現場に向かっていたバイク警察官が、事故車両から徒歩で逃げている両被告を見つけて捕まえたと同署長は付け加えた。


9日、中栗被告は車を盗もうとして犠牲者を殺害したと法廷で述べた。


「自分のために車が欲しかったので犯行に及んだ。被害者を殺すつもりはなかったが、誤って力を入れてしまった」と中栗被告は話した。


中栗被告は石田被告の殺害への関与は否定している。


中栗被告は日本で借金を抱えており、借金返済のために仕事を見つけようとカンボジアに来たと続けた。


Puok地区にいた時、両被告が被害者に対してトイレに行きたいので車を止めるように頼んだと同被告は続けた。


「バッグからナイフを取り出し、犠牲者の首にナイフを突きつけ、車を渡すように言った」と同被告は法廷に語った。


9日、石田被告は中栗被告が犯行に及んでいる間、自身は車の外にいたと法廷で語った。


石田被告は被害者から車を盗むことを計画していた認めている。


「犯罪であるとはわかっていたが、お金が欲しかった」と石田被告は法廷で語った。


石田被告は日本では運輸会社の運転手として働いていたが旅行のために仕事を辞め、中栗被告と一緒にカンボジアに来たと述べた。

 

9日、中央検察官のChuon Sok Panha氏は、両被告は、タクシー強盗について事前に話し合いをしており、中栗被告が犯行前からバッグにナイフを持っていたため、計画的にタクシー運転手の殺害を計画していたと法廷で語った。


「これは計画的な殺人であり、裁判官には計画的殺人の容疑で被告に刑を宣告して欲しい」と同氏は法廷で求めた。


9日、両被告の弁護士であるTheng Chamroeun氏は、中栗被告の証言に基づいて被害者を殺害つもりはなかったと述べている。


「被害者を殺すつもりはなかったので、両被告対する告発を計画的殺人から意図的でない殺人に変更して欲しい」と同氏は法廷で弁護した。


9日、裁判に傍聴していた被害者の妻のSok Chanroeunさんは、法に基づいて被告に刑を与え家族に正義を示して欲しいと裁判所に要求したと語った。


「両被告に10万ドル(約1080万円)の慰謝料を要求する。両被告は犯行前に計画について話し合っていたので、夫を強盗して殺すつもりだったと考えている」とChanroeunさんは語った。


9日、Um Chanthol裁判官は聴聞会は終了し、判決確定の日付が確定されると述べた。

出典:KHMER TIMES

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