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娘を抱きかかえるカット・タさんはHIVに感染したまま妊娠する事に対して恐怖を感じていると告白した。
タさんは現在50歳だ。15年前に夫から感染して以来、HIVと闘っている。当時の夫は金銭の授受を伴う性行動を職業として行うセックスワーカーであった。彼がHIVに感染し、妻であったタさんにも感染したのだ。
2014年、当時の夫はエイズにより他界し、タさんは他の男性と再婚した。その男性はタさんとの子供を望んでいたという。
「とても怖かったです。自分がHIVだとわかっているから妊娠はもうしたくなかったです。」タさんは深刻な面持ちで話した。しかし、彼女は医者に相談をし、胎児へのHIV感染を抑制する薬の処方を受けた。金銭的に余裕がないにも関わらず、タさんは赤ちゃんであるスレイ・マムちゃんの為に薬を購入した。風船で楽しそうに遊ぶ2歳のマムちゃんはHIV非感染者だ。
母親から胎児へのHIV感染は政府が2020年までに解決したい問題だと世界エイズの日行進が行われたコー・ピックで国家エイズ協会のレン・モウリー会長は話した。
80%の妊婦に対してHIVの子宮内感染を防止する薬を提供したが、そのうち6%は子供にHIVが感染してしまったと彼は続けた。HIVに取り組んでいる国際NGO団体KHANAの代表は今年エイズにより646人が亡くなり、3951人の新たな感染者が確認されていると話した。
一方で、国際連合エイズ合同計画のカンボジア王国代表であるエモンド氏はカンボジア王国は2025年までのHIV新感染者撲滅に向けて急進的に進んでおり、今は全員がHIV感染から隔離されるための重要な時期だと話した。
特にHIV感染の危険性の高い人にとって重要な時期と言えるだろう。一般的な人のHIV蔓延率は0.6%程度だが、薬物中毒者などにおけるHIV蔓延率は23%にも跳ね上がる。
性同一性障害者における蔓延率は5.9%にのぼる。一方で、同性との性交渉をする男性における蔓延率は2.3%だ。
抗レトロウイルス療法(ARV)利用者協会のプログラムマネージャーであるヘン氏は「見えないグループ」の存在を明かした。ARV利用者協会が現在支援している106人のHIV感染者はプノンペンのプレイ・サー刑務所の在監者だ。彼らのHIV蔓延率は国内平均値の3倍もの数値であった。
HIV陽性を持つ収監者はとりわけ弱者だ。彼らは社会的支援を受けられておらず、治療を受けることに対して金銭的な側面などで困難に直面しているとヘン氏は続けた。
今年初旬に実施された調査では前に紹介したタさんのような状況をもつ女性が強調された。カンボジアの伝統的価値観が避妊具の着用を望まない夫に背くような行動をとる難しさつくりあげている。
ジェンダー専門家の中川香須美氏によるとセックスワーカーやその客はHIVの危険性を認識しているのにも関わらず、避妊具を装着しないことがあるという。中川氏はソープランドなどの風俗業界での労働者は客からの要望や避妊具が客との性行為を裏付ける証拠になるのを嫌がり避妊具の装着をしないことがあると続けた。
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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。
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