カンボジアの若者、高まりを見せる歴史学への関心

カンボジアの若者、高まりを見せる歴史学への関心
2025年01月09日(本日)00時00分 公開
カンボジアの若者、高まりを見せる歴史学への関心

<写真:Khmer Times>

 

プノンペン王立大学の学長チェット・チーリー氏は、カンボジアの若者の間で歴史学への関心が高まっていることを自身のSNSで報告した。

 

2025年の同大学歴史学プログラムへの入学希望者は合計1044人に達し、そのうち672人が入学試験に合格したという。

 

チーリー氏は合格者を祝福するとともに、歴史学に対する若者の興味が増加していることを歓迎した。

 

「多くの若者がこの分野に関心を持ち始めていることを喜ばしく思う」と述べ、観光業などカンボジアの歴史と文化に関する専門知識が求められる分野で、歴史学の重要性が高まっていることを指摘した。

 

さらに、歴史学が卒業生にとって有望なキャリアパスとして注目されつつあると述べた。

 

カンボジアの歴史家テック・メン氏も歴史学を専攻する学生の増加傾向に注目している。

 

「学生たちは歴史を学び、それを基盤に社会をより深く理解しようとしている。また、次世代に歴史を教えたいという意欲を持つ者も多い」と語った。

 

歴史学の学位を持つ学生には、国際関係や観光業など幅広い分野でのキャリアの選択肢があることも指摘し「歴史を学ぶことで社会科学の一環として多様な分野で活躍する可能性が広がる」と述べた。

 

プノンペン王立大学のウェブサイトによれば、同大学の歴史学学士課程では、カンボジア、東南アジア、世界の歴史を包括的に学ぶことが可能である。

 

このプログラムの卒業生は教育や研究、図書館運営、行政、NGO、観光業など、様々な分野でのキャリアの追求が可能なほか、人文学、政治学、観光学、経済学、国際関係など関連分野での大学院進学にも適している。

 

一方、歴史学の教授ヴォン・ソテアラ氏は、カンボジア史における多くの出来事や物語が、科学的研究や他国の記録の翻訳によって再検討される必要性を指摘した。

 

「一部の記録は非論理的で、神話や伝説が実際の出来事と混在している」と述べ、学問的情熱を持つ研究者が必要であると強調した。

 

さらにソテアラ氏は「過去には博物館や海外の大学に行かなければ見られなかった記録や碑文が、現在ではオンラインで簡単にアクセス可能になっている。重要なのは、それを読み解くスキルと分析力である」と述べ、デジタル時代における研究環境の進化に触れた。

 

歴史学への関心の高まりはカンボジアの豊かな歴史的遺産を保存し、次世代に伝える重要な役割を果たす新たな歴史家の育成に繋がると期待されている。この傾向はカンボジア社会の発展においても大きな意義を持つものとされている。

 

 

 

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