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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジア北部プレアビヒア州で、タイ側からの越境砲撃による爆発物の影響を受けたとみられる雌のゾウ1頭と、生後間もない子ゾウ1頭が死亡しているのが確認された。
地元当局および野生生物関係者が明らかにした。
環境当局による初期調査では、成獣は体重約500kg、子ゾウは約80kgで、いずれも水路内で発見された。
成獣の体には爆発による外傷と整合する損傷が確認されたという。
住民は12月14日、同地域で出血や負傷の痕跡を伴うゾウの足跡を目撃しており、州環境局とWCS(野生生物保全協会)の調査員が追跡調査を行った。
しかし、密林地帯であることに加え、国境地帯の緊張が続いていたため救助活動は難航し、22日までに母子ともに死亡するに至った。
エン・ソパレット環境相は23日、カンボジア王立アカデミー訪問時に、主権侵害は人命や財産にとどまらず、自然資源や生物多様性にも深刻な被害を及ぼすと指摘した。
今回の事案は、環境や保護区への攻撃を禁じる国際法に反する行為であるとの認識を示した。
プレアビヒア州には約20頭のゾウが生息しており、カンボジアとタイの国境に近いダンレク山地、とりわけチーブ・プレアロカ野生生物保護区周辺を移動している。
同州には8つの保護区が存在し、そのうち3か所が国境に接している。軍事活動の影響により、生息地の破壊や野生生物の損失リスクが高まっている状況である。
カンボジアに生息するアジアゾウは主に北部および北東部に分布しており、過去10年間、北部地域でゾウの死亡が記録された例はなかった。
近年の調査では国内の個体数は600頭を超えるまでに回復したとされる一方、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは「絶滅危惧」に分類され、ワシントン条約付属書Iにも掲載されるなど、引き続き厳格な保護が求められている。
当局は、今回の死因について詳細な究明を進めるとともに、越境緊張が続く状況下においても野生生物保全体制の強化を図る方針である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。