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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジアはこのほど、ヨルダン向けにカシューナッツ12トンを初めて輸出した。中東市場への本格進出は、同国農産物の輸出先多角化を進める上で重要な節目である。
輸出を手がけたのは農産加工会社アンプル・アグロ・プロダクトである。最高経営責任者(CEO)のサンバット・カリヤン氏によると、今回出荷されたのは大型粒のM23品種で、国際規格ではホワイトホール180(WW180)に該当する。
製品は国際品質基準を満たしており、冷蔵コンテナで輸送され、到着までには30~32日を要する見通しである。
カリヤン氏は、ヨルダン側がカンボジア産カシューナッツに関心を示した理由として、粒の大きさや清潔さ、自然な風味に加え、生産地が明確で追跡可能である点を挙げている。さらに、カンボジアは広大な栽培面積を背景に、大量供給が可能な潜在力を有していると強調した。
アンプル・アグロ・プロダクトは品質管理を重視しており、GMP(適正製造規範)やHACCP(危害分析重要管理点)、ハラール認証、米国食品医薬品局(FDA)の認証を取得している。加えて、英国小売協会(BRC)規格や有機認証の導入も進めている段階である。
同氏によれば、カンボジアのカシューナッツ栽培面積は約63万3000ヘクタールに達し、生産量は年間85万~95万トンとされる。生鮮カシューナッツの生産量では世界第2位に位置している。
政府は「カシューナッツ政策(2022~2027年)」の下、2027年までに生産量の25%、2032年までに50%を国内で加工する目標を掲げている。
今回の輸出は、ドイツで開催された欧州最大級の食品見本市「アヌーガ」への参加を契機として実現した。商業省の支援に加え、英国貿易支援プロジェクト(UKTP)やEU・ドイツの関連事業、カンボジア・カシューナッツ連盟(CCF)による技術支援が後押しした形である。
商業省のペン・ソビチェアット国務長官は、2025年に開催された第18回カンボジア貿易博覧会において、同国が農業および農産加工分野で高い潜在力を有していると指摘した。
カンボジア・カシューナッツ連盟の統計によれば、2025年最初の10カ月間で約1200万トンのカシューナッツを輸出し、40億ドルを超える収入を得たとされている。
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