カンボジアの1月輸出、米国向けが引き続き最大を維持

＜写真：Khmer Times＞

カンボジア税関総局の最新報告によると、2025年1月のカンボジアの対米輸出額は前年同月比38%増の約8億7000万ドルとなり、引き続き米国が最大の輸出先となった。

1月の輸出額を国別に見ると、米国が最も多く、次いでベトナム（2億7800万ドル）、日本（1億5100万ドル）、カナダ（1億900万ドル）、スペイン（1億300万ドル）、中国（1億300万ドル）と続いた。

また、同月の米国との貿易総額は8億9200万ドルに達し、前年同月比38.6%増加した。このうちカンボジアの輸出額は8億6800万ドルで、同じく38.6%の増加を記録した。

一方、米国からの輸入額は2300万ドルで、37.7%の伸びとなった。

カンボジア中国商会（CCCA）のロール・ビチェット副会長は、カンボジアの輸出における米国市場の重要性を指摘した。

同氏によれば、米中貿易摩擦の影響で一部の中国企業がカンボジアに工場を設立し、米国向け輸出の拠点として活用しているという。また、近隣諸国の政情不安もカンボジアへの投資流入を促す要因となっている。

さらに、ビチェット氏は「カンボジアの政治的・経済的安定が投資家を引きつけている」と述べ、インフラ整備の進展による輸送コストの削減が、外国企業にとって魅力的な投資環境を生み出していると強調した。

カンボジアの産業構造には依然として課題が残る。ビチェット氏は「非公式な零細・中小企業が多く、規模の経済や技術革新、競争力向上の面で課題を抱えている」と指摘した。

輸出基盤の強化と多角化を図るには、これらの企業を正式な経済システムへ統合することが不可欠であるという。

「正式な経済活動に組み込むことで、新興技術の活用が可能になり、イノベーションの促進や多様な資金調達手段の確保につながる」と述べた。

さらに、中国や韓国との自由貿易協定（FTA）、ASEAN自由貿易地域（AFTA）、地域包括的経済連携（RCEP）といった貿易枠組みの活用が、輸出の拡大に貢献するとした。

カンボジアの輸出の中心は依然として繊維・衣料・履物分野であり、同国の輸出経済を支える基幹産業となっている。

今後の持続的な成長と輸出の多角化に向け、政府と民間が協力し、企業の競争力を向上させることが求められている。

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