タイとの国境紛争問題、国際司法裁判所への提訴準備進む

タイとの国境紛争問題、国際司法裁判所への提訴準備進む
2025年06月13日(本日)00時00分 公開
タイとの国境紛争問題、国際司法裁判所への提訴準備進む

<写真:Khmer Times>

 

カンボジア政府は、タイとの間で長年続く国境紛争を国際司法裁判所(ICJ)に提訴するための法的準備を進めている。

 

対象となるのは、プレアビヒア州モムベイ地区およびその地域に所在する古代寺院遺跡、タ・モアン・トム、タ・モアン・タウチ、タ・クラベイの3か所である。

 

この方針は6月2日にフン・マネット首相によって初めて公表され、上院議長を務めるフン・セン前首相の全面的な支持を受けている。

 

政府は6月10日付で本件に関連する提出文書の作成を担う委員会を正式に設置した。

 

委員長には副首相兼外相のプラク・ソコン氏が任命され、委員会は司法相クート・リット氏が率いる法務班と、外務省のイート・ソペア国務長官が率いる外交班の二部門によって構成されている。

 

この委員会はICJにおける法的手続きを主導する立場として、国際法務顧問の選定、訴訟文書の精査、外交的調整などを含む幅広い業務を担当することになる。

 

報道官のペン・ボナ氏は「今回の措置は単なる法的手続きではなく、国家の団結と主権を守るための行動である」と述べ、国民議会、上院、さらには一般国民からも広く支持を得ていることを強調した。

 

また、フン・セン前首相とフン・マネット首相の揺るぎない姿勢についても言及し、「両首脳は1ミリたりとも譲歩していない」と語った。

 

両者の指導の下で、国境交渉や国境周辺におけるインフラ整備が着実に進められているという。

 

さらに、元外交官であり、カンボジア地域研究センターの上級顧問を務めるポウ・ソティラク氏も今回の提訴を支持し、「国際司法裁判所による法的判断は、両国の対立する主張に終止符を打ち、平和的解決への道を開く最善の方法である」との見解を示した。

 

今回の提訴準備は、カンボジア政府の平和的かつ毅然とした外交姿勢を内外に明確に示すものであり、国際社会に対して法の支配と主権の尊重を訴える重要な一歩となる。

 

 

 

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