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<写真:Khmer Times>
タイのパエトンターン・チナワット首相は19日、カンボジアのフン・セン上院議長との電話会談音声がSNS上に流出した問題を受け、政府中枢と軍幹部を招集して緊急会議を開催した。
音声には両国間の国境衝突に関する非公式なやり取りが含まれており、国内外で大きな波紋を呼んでいる。
タイ国内では首相辞任を求める抗議活動が拡大しており、与党連立の一角であるプームジャイタイ党も連立からの離脱を表明するなど、政権は深刻な危機に直面している。
問題の音声は約9分にわたり、パエトンターン首相がフン・セン上院議長に対して、「第2軍管区司令官の発言は軽視すべきだ」と述べ、冷静な対応を促す場面が含まれていた。
この発言は同司令官が以前「戦う準備はできている」と発言したことを受けたものである。
チナワット首相は音声の真正性を認め、「非公式な和平努力の一環であった」と説明したが、流出を受けてフン・セン氏との個人的な接触を今後行わない意向を表明し、強い不信感を示した。
タイ外務省はこの件について「外交慣例に対する重大な違反」と厳しく非難し、カンボジア大使を召喚して正式な抗議文を手交した。
また、カンボジア側がSNSを通じて録音を公表したことについても、「世論を煽る挑発的行為であり、両国の信頼関係に深刻な打撃を与えた」と強く批判した。
流出音声には、5月28日に発生した国境衝突でカンボジア兵士が死亡した件も含まれており、これを受けてカンボジア政府は、タイ産果物の輸入停止やテレビ放送の中断など一連の対抗措置を講じていた。
政権に対する圧力が高まる中、チナワット首相は「国民と国家の平和と安定を守ることが最優先事項である」と述べ、事態の沈静化と信頼回復に全力を挙げる姿勢を強調した。
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