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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジアにおいて、有機農産物市場が都市部を中心に急速な成長を遂げている。
プノンペンなどの都市圏では、健康志向や食の安全、環境保護への関心が高まっており、国際的な認証を受けた有機食品を選択する消費者が増加している。
農業・林業・水産省の幹部によれば、カンボジアでは化学肥料の使用量が比較的少なく、他国と比べて有機農業への移行が容易であるとされる。
加えて、土地および労働力のコストが低いことも、同国における有機農業の競争力を高める要因となっている。
有機農産物の輸出も拡大傾向にあり、特に欧州連合(EU)や米国といった高付加価値市場からの注目が集まっている。
中でも香り米「プカ・ロムドゥール」やカシューナッツは、その品質と独自性によって高く評価されている。
しかしながら、生産面における課題も少なくない。
気候変動や害虫被害、灌漑設備の未整備などにより収穫量にばらつきが生じ、大規模な安定供給が困難な状況にある。
また、有機資材の国内供給体制、加工・保管施設、そして市場情報の不足が、小規模農家の対応力や市場参入を制限している。
政府は2020年に国産の有機認証制度「CamOrg(カムオーグ)」を導入したが、その運用と監視体制には未だ課題が残っている。
そのため、多くの輸出業者は依然として米国農務省(USDA)やEUの有機認証を取得しており、高額な認証費用が小規模農家にとって参入障壁となっている。
今後、有機農業市場は国内外の需要を背景にさらなる拡大が見込まれているが、その持続的な成長には制度の強化とインフラ整備、そして小規模農家への支援が不可欠である。
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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。
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