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<写真:khmertimeskh.com>
タイ政府は7月に拘束したカンボジア兵18人の解放を延期し、帰還期限とされていた72時間の停戦期間が終了した後も引き続き拘束を継続している。
この対応は、両国が12月27日に合意した第3回国境特別合同委員会(GBC)共同声明の第11項に明確に反するものである。
当該兵士は7月24日から28日にかけて発生した国境紛争の直後、29日にタイ側によって拘束された。
拘束は、同日の停戦合意成立から数時間後に行われており、共同声明では「停戦が72時間維持された場合、兵士をカンボジア側へ送還する」と明記されていた。
しかし、帰還予定日の正午を迎えてもタイ政府は送還を実施せず、延期を正式に発表した。
カンボジア・パイリン州の州知事は「兵士の所在についていまだに情報が得られていない」と述べ、地域住民に冷静な対応を呼びかけた。
タイ外務省は停戦期間中にカンボジア側の無人機(ドローン)がタイ領空を侵犯したと主張しており、これが共同声明第6項「挑発的な行動の自制」に反すると指摘した。
この点を根拠に、兵士の解放時期を再検討していると説明している。
さらに、タイ側は既に抗議書をカンボジア政府に提出しており、地雷による自国兵士の被害についても懸念を示した。
一方、カンボジア国防省は、タイ側の主張を全面的に否定している。
特に「250機以上の無人機が領空を侵犯した」との報道は事実無根であると強調し、関係機関にはドローンの使用を禁止する厳格な指示を出していると反論した。
両国は12月27日、ASEANの監視団の立ち会いのもとで停戦に合意し、両国防相が共同声明に署名している。
合意内容には兵士の送還、軍事的挑発の自制、避難民の帰還促進、そして地雷除去の実施が盛り込まれていた。
停戦発効後、国境周辺地域はおおむね平穏を保っており、すでに1380人の避難民が帰還しているものの、約60万人が依然として避難生活を強いられている状況である。
カンボジア政府は、今回の停戦合意について「領土の主権を損なうものではない」との見解を示しつつ、今後も平和的かつ外交的な解決を追求していく方針を明らかにしている。
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