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ASEAN諸国の10ヵ国と中国によって設立された、唯一の政府間組織であるASEAN中国センター(ACC)では、貿易、投資、教育、文化、観光の5つの分野で優先的に協力関係を強化する必要があるという。
ASEANの中国大使とACCの事務総長を兼任するヤン・シューピン氏は、現在急速に変化している経済および地政学的実態における中国とASEANの関係を、どうやってより高いレベルに引き上げるかについてクメールタイムズ紙に語った。
クメールタイムズ(KT):ASEAN中国センターと、設立してから過去5年間における活動について簡単に説明すると?
ヤン大使:過去5年間、ACCは100件近くのプロジェクトを実施し、500件以上の活動を共同で行った。
中国とASEANの両国間の貿易に関しては、すでに4千5百億ドル以上の取引を結んでいる。
この地域への中国の投資額は1600億ドルにも上る。
また、ASEANの高等教育機関では10万人以上の学生が勉強しており、2025年までに学生数を30万人に増やす予定だ。
技術教育の分野においては、ASEAN諸国でACCの職業訓練校を31棟設立する援助をした。
また、人と人との関係をさらに強化するため、カンボジア、ラオス、タイ、シンガポールに文化センターを設立した。
KT:中国とASEANの関係は、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の発足とともに、はるかに強くなった。
ASEANとの経済的パートナーシップにおいて、中国は富裕層のASEAN加盟国とCLMV諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)との開発格差をどのように埋めるのだろうか。
ヤン大使:カンボジアがその鍵となると考えている。
ASEANが結成されて50年経ち、中国とASEAN間の理解と親睦を継続的に促進するため、カンボジアはASEANとCLMVの重要な役割を果たしていると確信している。
私はRCEP(東アジア地域包括的経済連携)については非常に好意的であり、RCEP加盟国の16カ国が貿易で成功するため、引き続き協力し続けると確信している。
KT:環太平洋戦略的経済連携協定は、米国が離脱してから不明確な状態のようだ。中国は、ASEAN諸国でRCEPをより受け入れやすくするために、どのような役割を果たすのだろうか。
ヤン大使:RCEPには16カ国が加盟しており、中国はすべての加盟国と緊密に協力している。
我々の経済的連携における関与が、加盟国の人々の生活向上に役立ってほしいと考える。
RCEP加盟国の16カ国は、世界人口の約半分を占め、世界のGDPの約3割、世界の輸出量の4分の1以上を占めている。RCEPは貿易障壁を低くし、地域内での商品の市場アクセスや企業向けサービスを改善するための枠組みを提供する。
KT:急速に変化する経済と地政学的実態の中で、中国はどのようにASEANをより高いレベルに進展するよう支援するのだろうか。
ヤン大使:中国は有能な隣国であり、ASEANとの親睦関係がある。
我々は、中国と提携関係のあるASEANの重要性を認識し、両国は引き続き貿易、教育、観光および文化的関係を発展させるつもりだ。
わが国の経済は絡み合っているため、中国からの海外直接投資は引き続きASEANに流入するだろう。
我々は、中国の発展はASEANの発展にも良いことだと考えており、ASEANのGDP成長率は、中国の経済をさらに発展させる後援となるだろう。
最終的には、互いの国民にとって有利な状況となる。
KT:中国は、助成金やソフトローンにおいてカンボジアにとって最大の援助国の一つだ。なぜそうなのだろうか。カンボジアの経済を見ると、他のASEAN加盟国に比べてとても小さいと言えるにも関わらずだ。
ヤン大使:私は、カンボジア自体が年間予算を通じて国の発展に大きく貢献できると信じている。カンボジアは中国の有能なパートナーであり、開発を促進する安定性もある。
中国はカンボジアを支援し、カンボジアもまた中国を支援する。
ASEANでの中国大使として、私はASEAN10カ国の政府と協力してきた。
ASEANを1つの組織として、また各ASEAN加盟国としてであろうと関係なく、双方の関係において利益があると強く信じている。
KT:中国のワンベルト・ワンロード新政策は、カンボジア、またASEANのすべての加盟国にとって利益があるだろうか。
ヤン大使:ワンベルト・ワンロード新政策は、インフラ整備を通じてアジア、アフリカ、そしてヨーロッパ間のつながりを拡大するという習近平首相のビジョンを推進する。
中国に利益をもたらすだけでなく、他の3ヵ国も同様だ。
アジアの100以上の国や国際機関がそれに署名をしている。ワンベルト・ワンロード新政策は排他的な団体ではなく、同じ目標を共有する国々に開かれた親睦あるサークル団体だ。
KT:中国は、カンボジアが創立加盟国の一つであるアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を支援していた。その銀行はどのようにASEAN全体のインフラ整備に貢献するのだろうか。
ヤン大使:AIIBは有力な仕組みであり、より多くの国々が参加を申請している。
当初、同銀行はわずか50カ国しか加盟していなかった。それが今では70カ国になった。
AIIBは、規則と規制下においてすべての加盟国を支援している。
また、我々はすでに他の国際開発銀行や独立型プロジェクトとの共同融資事業計画の準備を進めている。それによりASEANも利益を得る予定だ。
KT:AIIBは世界銀行とアジア開発銀行のライバルとみなされている。
一部では、融資の支払いにおける規則や規制すらないと指摘されている。それについてどう思うのか。
ヤン大使:そう述べるのは正しいことだとは思わない。世界銀行とアジア開発銀行はAIIBよりはるかに長い期間設立されている。
AIIBは新しい多国間融資機関であり、非常に重要な役割を果たすと確信している。銀行はすべての加盟者にサービスを提供する。
KT:中国とASEANの関係は将来どうなるのだろうか。
ヤン大使:私の見解では、中国とASEANの将来は非常に明るいだろう。そして、これからも両国間の協力が強化する可能性はさらに高まっている。我々は互いに重要なパートナーであることを強調させてほしい。
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