カンボジア、報道自由度ランキングで10位落とす

カンボジア、報道自由度ランキングで10位落とす
2018年04月25日 00時00分 公開
カンボジア、報道自由度ランキングで10位落とす


カンボジアは国境なき記者団(Reporters Without Borders)が発表した世界報道自由ランキング(World Press Freedom Index)で10位ランキングを落としたという。これは中国を暗に批判することになるとされている。

ランキングは25日に発表され、カンボジアは180カ国中142位となっている。昨年は132位だったため、順位が10位下がったことになる。

国境なき記者団の広報担当グループは「カンボジアは報道の自由の危機に陥っており、このままでは中国と同様の道を歩むことになるだろう。このままでは国から独立して本来は報道の自由がある報道機関の動きに制限をかけることになりかねない。今回ランキングで順位が10位も落ちたのは世界の中でカンボジアだけだ」と話す。

さらに同グループは「フン・セン首相は2017年にメディアに対して数多くの過激な攻撃をした。首相による独立報道機関への抑圧、SNSの制御等は中国を暗に批判することになりかねない。なぜなら中国はカンボジアにメディアをいくつか投資しているからだ」と続けた。

昨年には30以上の独立ラジオ局が閉鎖され、政治的報道を繰り返していた英語デイリーニュースのメディアも9月に閉鎖に追い込まれた。3人のジャーナリストも国家の安全を脅かしたとして投獄されている。

カンボジアは現在タイやミャンマー、ラオス、ベトナム、またシンガポールよりも下位にランクインしている。カンボジアよりもランキングが低いのはベネズエラや南スーダンなどだ。

カンボジアのメディア研究家のMoeun Chhean Narridh氏は「昨年のメディア封鎖には失望した。カンボジアのメディアに関しては残念でならない。選挙後にこの状況が改善されることを願っている。ただ政府はおそらく今後もメディアの抑圧に走るだろう。最終的にはプノンペンポストやラジオ・フランス・アンテルナショナルまで閉鎖される恐れがある」と語った。

さらに同氏は「とは言えカンボジアはまだ中国ほどにはメデイアを封鎖してはいない。中国には独立したメディアが一つも存在しない」と続ける。

一方カンボジア内務省の役人は「我々政府はランキングを気に留めていない。他国と比べるようなことはしたくないからだ」と話した。さらに、中国の名前を出した質問に対して同氏は「なぜ白人たちは中国に批判的なのか。私は西洋人の中国、そしてカンボジアに対する見方が気に入らない。自由をそんなに尊重したいのであれば、我々の選択の自由を尊重するべきだろう」と述べた。

ここ数年のカンボジアの世界報道自由ランキングは、2015年が139位、2016年が128位、2017年が132位だった。

出典:The Phnom Penh Post

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