閉鎖ホテルを予約・前払いさせるホテル詐欺、カンボジアで被害相次ぐ

閉鎖ホテルを予約・前払いさせるホテル詐欺、カンボジアで被害相次ぐ
2022年04月21日 15時56分 公開
閉鎖ホテルを予約・前払いさせるホテル詐欺、カンボジアで被害相次ぐ

<写真:iStock>

 

カンボジアで宿泊施設をネット予約し、決済を済ませた旅行者が、ホテルに到着すると閉鎖しているという出来事が相次いでいる。

クメールタイムズ(電子版)が報じた。

 

クメールタイムズが先週シェムリアップ州で行った調査では、オンライン旅行代理店を通じて空室のあるホテルの料金を支払ったが、実際にはホテルが閉鎖していたという事例が複数見つかったという。

 

プノンペン出身の写真家兼アーティストのCheky Athipornさんは、友人がクメール正月にシェムリアップを訪れる前日の4月15日にホテルを予約するよう頼まれたという。

そこで、Chekyさんは、Agodaを利用し、シェムリアップ市内のLeu Marketの近くと記載されている「Forest King Hotel」というホテルを見つけた。

 

Chekyさんは「2部屋分を予約したら112ドル請求されたので、ビザカードで支払った。電話番号は明記されていなかったがFacebookページがアクティブになっていたため、何に疑いを持たなかった。」と話した。

しかし、実際にChekyさんの友人と家族がホテルに到着すると、2年以上前に閉鎖されていたことが明らかになったという。

 

Chekyさんはこれに怒り、詐欺としてAgodaにメールを送り、返信を求めたものの返答がなかったという。

このことについて、ChekyさんはホテルとAgodaのどちらを責めるべきか分からないとし、他の多くの人も同じことを経験したはずだと述べている。

 

また、プノンペンの会計士であるSoy Sorpheaさんは、クメールタイムズの取材で、夫と子供を連れて4月15日〜4月18日までシェムリアップを訪れたが、一度ならず二度も詐欺に遭ったと語っている。

Sorpheaさんは「Goldiana Angkor」というホテルを予約し、60ドル以上を支払った。

しかし、チェックインのためホテルへ行くと、閉鎖されていたという。

 

Sorpheaさんは「幼い娘がいて、シャワーと寝るスペースが必要だったため、他のホテルを探さなければならなかった。」と話した。

近くのホテルは満室だったため、Agodaで国道6号線沿いにある「My Unique Villa Hotel 」という別のホテルを見つけ、前払いで109ドルを支払った。

Sorpheaさんらがホテルに到着すると、2年前に閉鎖されていたことを知ったという。

 

Sorpheaさんはこのことに腹を立て、シェムリアップ観光警察へ電話をしたが、警察では何もできないといい、Agodaへ連絡するよう言われたという。

結果、Sorpheaさんは100km以上離れたコンポントム州のホテルまで車で移動した。

 

クメールタイムズの調査によると、このような詐欺被害に遭った人は少なくとも12人はいるとし、そのうち何人かは車中やパゴダで睡眠をとったとしている。

 

クメールタイムズは、シェムリアップ州観光警察局長や、観光局ディレクター、Agodaにコメントを求めたものの、回答はなかったとしている。

一方で、 カンボジア旅行代理店協会(CATA)のHo Vandy氏はカンボジアだけでなく、世界中にこのようなホテル詐欺が存在していると明かした。

 

同氏は、犯人の多くはITに精通しており、ホリデーシーズンの宿泊施設不足に乗じて、すでに閉鎖されたホテルを予約アプリに掲載し、事前に予約・課金させていると話した。

さらに、ユーザーが気が付いた時には手遅れだとし、特にデジタルリテラシーの低い人は、まずホテルや旅行代理店に確認するなど、十分な注意が必要だと述べている。

 

 

 

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