フンセン首相がASEAN諸国要人に高級時計贈呈、一部から批判の声

フンセン首相がASEAN諸国要人に高級時計贈呈、一部から批判の声
2022年11月23日 16時18分 公開
フンセン首相がASEAN諸国要人に高級時計贈呈、一部から批判の声

<写真:RFA>

 

フンセン首相はASEAN諸国要人への贈答品として国産高級時計を購入し、国家予算から約50万ドル(約7063万5750円)を支出したことについて、カンボジアの「科学技術の進歩」をアピールすることが目的であるとして説明を行った。

 

ラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

 

批評家からは「国家予算は国民のために使われるべきである」といった批判の声が上がっている。

 

フンセン首相はASEAN首脳会議VIP出席者への贈り物として、同国で最も急成長するコングロマリット「プリンスグループ」にトゥールビヨン搭載の腕時計25個を発注した。

 

フンセン首相は20日に行われたサミット終了後の記者会見で「腕時計の価格は1個あたり約2万ドル(約282万7000円)であり、カンボジアの時計製造能力を世界に示したい」と述べ、報道陣に対して腕時計を掲げて見せた。

 

高級時計の愛好家として知られるフンセン首相は少なくとも1300万ドル(約18億3734万円)相当の時計を所有しており、批評家からは首相の月給2500ドル(約35万3266円)とは明らかに矛盾するという指摘が挙がっている。

 

フンセン首相は今後のASEAN首脳会議でも今回の腕時計を着用することを約束するとともに、他のASEAN諸国首脳の中にも既に腕時計を着用していた人物がいたことについても言及した。

 

環境保護団体「マザー・ネイチャー・カンボジア」のLy Chandaravuth氏は、RFAクメール・サービスに対し、「政府は贅沢な装身具にお金を浪費するのではなく、カンボジアの国民性を反映した贈り物をすべきであった」と批判を寄せた。

 

同氏は多くのカンボジア人が貧困ラインの下で生活していることを指摘するとともに、「自分が指導者であれば、高級時計の贈呈は誇りに思えることではない。本当の誇りは自国民が恐怖や不安から解放され、真の平和で幸せに暮らせるようになることだ」と続けた。

 

非政府組織「開発・平和のための人権センター(PDPセンター)」のYong Kim Eng代表も同様に、「自治体の中には市民に必要なサービスを提供するための予算が不足しているところもある。そうした状況下で高級腕時計を送る必要はなかった」と指摘する。

 

RFAによると、21日時点で政府報道官からのコメントは得られていないという。

 

 

 

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