観光客が急増するカンポット、今後の野心的な取り組み

観光客が急増するカンポット、今後の野心的な取り組み
2024年09月20日(金)00時00分 公開
観光客が急増するカンポット、今後の野心的な取り組み

<写真:Khmer Times>

 

カンポット州当局は観光客の増加を受け、更なる観光客誘致を目指した野心的なプロジェクトを発表した。

 

19日にカンポット州知事であるマオ・トゥニン氏は、国際観光港前のビーチや、レストランを備えた大型船を含む大規模プロジェクトの計画を明らかにした。

同発表は州職員や市当局の職務遂行を評価する会議の場で行われた。

 

当局は過去数カ月にわたり、ビーチや公園、魚やタツノオトシゴの像、ウォーターキャノン、そして国内最大の時計塔の建設など、観光客誘致を目的とした様々なプロジェクトを実行した。

 

9月中には18カ国の大使や外交官、数百人のカンボジア指導者がカンポット州を訪れる予定で、州政府は数々のインフラ開発プロジェクトを計画している。

 

これらのプロジェクトの中には、クメール伝統様式の橋や、橋に設置された風力発電用の大型ファン、レストラン付きの船、国際観光港におけるビーチの開発が含まれる。

 

しかし、カンポジア観光協会(CATA)の会長であるチャイ・シブリン氏は「カンポット州のインフラは改善されつつあるが、他の観光地と比較して依然として遅れている」と指摘している。

 

具体的には、道路アクセスの制限、不十分な公共交通機関、一部の観光地の状態が観光客を遠ざける要因になっているという。

 

特に雨季は観光名所へのアクセスが困難になり、ビーチ活動を目的とする観光客にとっては不利である。

 

また、ブティックホテルは魅力的であるが、高級志向の観光客を惹きつけるためのラグジュアリーな宿泊施設が不足している。

 

一方で、C4アドベンチャーズの共同経営者ジャン=ブノワ・ラセリン氏によると、カンポット州の観光地としての潜在力は、その豊かな歴史と独自の魅力に根ざしたものである。

 

カンポット州はフランス植民地時代に重要な貿易拠点であったため、当時のコロニアル建築が現在も残されており、これらの歴史的建造物が他の観光地とは異なる独特の個性を与えている。

 

また、ペニンシュラ・プノンペンのゼネラルマネージャーであるジェレミー・クレメント氏は、カンポット州が山と海の両方を楽しむことが可能なパッケージツアーを提供することで、同州がカンボジア内で「楽しく本格的な観光地」としての地位を確立可能であると指摘する。

 

例えば、ボコール山でのトレッキングとビーチでのリラックスを組み合わせることで、観光客がより長く滞在したくなるような体験の提供が可能となる。

 

特にTikTokを通じて積極的にプロモーションを行うことで、視覚的に魅力的な場所や冒険を求めるミレニアル世代の観光客を引きつけることが可能である。

 

また、伝統的な観光客層にアピールするためには、カンポット州特産のカンポットペッパーといった地域の文化遺産を反映した独自の製品をプロモーションすることが重要であるという。

 

カンポット州観光局長であるソイ・シノル氏によると、2024年上半期にカンポット州を訪れた観光客は前年同期比で29.99%増の130万人を超え、6万2000人が国際観光客であった。

 

 

 

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