米国の沿海戦闘艦、リアム海軍基地に異例の訪問

米国の沿海戦闘艦、リアム海軍基地に異例の訪問
2024年12月17日(火)00時00分 公開
米国の沿海戦闘艦、リアム海軍基地に異例の訪問

<写真:Khmer Times>

 

米国の沿海戦闘艦「USSサバンナ」が、カンボジア南部のリアム海軍基地を訪問することが発表された。

 

同基地への米軍艦の寄港は、2019年にカンボジアが中国との間で海軍基地利用に関する合意を結んだと報じられて以来、初めての出来事である。

 

カンボジア国防省によれば、「USSサバンナ」は103人の乗組員を伴い、12月18日から5日間滞在する予定である。

 

この間、基地司令官や地方当局との会談が予定されており、「友好関係の強化および二国間協力の促進」が期待されていると発表された。

 

同省は今回の訪問を「米カンボジア関係改善の画期的な出来事」と位置づけている。

 

今回の寄港は、中国の軍事的関与が疑われるリアム海軍基地を巡る状況の中で、ワシントンがカンボジアとの関係修復を試みる動きとして注目されている。

 

2019年の報道によれば、中国とカンボジアが結んだとされる合意により、中国はタイランド湾に位置するリアム基地を軍事拠点として利用する可能性があるとされ、米国はこれをインド太平洋地域における中国の初の軍事拠点として警戒してきた。

 

一方、カンボジア政府はこの合意の存在を一貫して否定しており、外国による軍事基地の設置は国家主権の侵害に当たると主張している。

 

中国政府も同様に、カンボジア国内に軍事基地を建設する計画はないと明言している。

 

オーストラリアのシンクタンク、ローウィー研究所の報告書によると、中国がリアム基地を戦略的に支配する可能性は低い。その理由として、基地の地理的制約やカンボジア国内の政治的要因が挙げられている。

 

しかし、中国はリアム基地の再開発を支援しており、2023年も中国軍艦が同基地を訪問していた。この動きは、米国側の懸念を強める一因となっている。

 

中国側は基地の改修について、「カンボジア海軍の海洋領土保全能力や海洋犯罪対策能力を強化するため」と説明している。

 

米国大使館は今回の訪問に関する具体的なコメントを控えているが、米中双方の影響力が交錯する中で、カンボジアの戦略的地位が再び注目される。

 

今回の米軍艦訪問は、地域における地政学的な緊張が高まる中での象徴的な出来事といえる。

 

 

 

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