カンボジア国立銀行、暗号資産に関する新指針を発表

カンボジア国立銀行、暗号資産に関する新指針を発表
2024年12月31日 00時00分 公開
カンボジア国立銀行、暗号資産に関する新指針を発表

<写真:Khmer Times>

 

カンボジア国立銀行(NBC)は12月29日、国内の暗号資産関連活動を規制する新たな省令(プラカス)を発表した。

 

これはデジタル金融の普及を進めながらも、金融システムの安定性と適切な規制監督を確保するための重要な取り組みである。

 

このプラカスは「銀行および金融機関に関する法律」に基づいて策定され、暗号資産の利用に伴うリスクを抑制しつつ、国内の金融安定性を向上させることを目的としている。

 

プラカスでは暗号資産を2つのカテゴリーに分類し、それぞれに規制を設けている。

 

グループ1は、実物資産や既存の金融資産に紐付けられた暗号資産である。

 

グループ1a:債券や株式などの金融資産をトークン化し、分散型台帳技術(DLT)を用いて記録するもの。

 

グループ1b:実物資産や準備資産と価値が連動するステーブルコインである。ただし、アルゴリズムベースのステーブルコインは対象外とされる。

 

グループ2は、実物資産に裏付けのない暗号資産(例:ビットコイン)やその他の高リスク資産を含む。

 

商業銀行に対しては、グループ2資産の保有が禁止され、グループ1資産についても自己資本比率に基づき保有上限が設けられている。

 

具体的には、グループ1a資産は自己資本の5%まで、グループ1b資産は3%までに制限される。

 

暗号資産に関連するサービスを提供する事業者(CASP)に対しても、新たなガイドラインが定められている。

 

CASPは顧客資産を事業目的に流用すること、暗号資産を決済手段として推奨すること、特定の暗号資産の広告を行うことを禁じられている。

 

一方で、サービス自体の宣伝は認められている。また、CASPはNBCからライセンスを取得する必要があり、厳格なガバナンスやリスク管理体制の構築が義務付けられる。

 

商業銀行は暗号資産関連活動を行うにあたり、強固なガバナンス体制とリスク管理システムを整備する必要がある。

 

これには、サイバーセキュリティ、ICTリスク、マネーロンダリング対策(AML)、テロ資金供与対策(CFT)への対応が含まれる。

 

また、事業活動にはNBCの事前承認が必須であり、自社発行の暗号資産の提供やグループ2資産に関連する取引は全面的に禁止されている。

 

銀行が暗号資産関連の活動を申請する場合、取締役会の承認や事業計画書、財務への影響評価などを含む書類の提出が求められる。

 

NBCは申請受理後、60営業日以内に対応する義務を負う。

 

プラカスでは、違反者に対する厳しい罰則が設けられており、グループ2資産に関する禁止取引を行った場合、1件につき最大5億リエルの罰金、是正措置の遅延や報告不履行に対する日次罰金、ガバナンスやリスク管理基準の違反に対する追加罰則が適用される。

 

これらの罰則は、金融システムの健全性を保つために厳格に適用される見通しである。

 

NBCは今回のプラカスを「慎重かつ前向きなアプローチ」と位置付けており、暗号資産を国内金融システムに統合しながら、そのリスクを最小限に抑えることを目指している。

 

この取り組みはデジタル金融の発展を促進しつつ、金融の安定性と安全性を確保するための重要なステップとして注目されている。

 

 

 

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