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〈写真:Khmer times〉
カンボジアにおいて、高級ブランドがEコマースを活用し、市場拡大を進めている。国内の購買力が向上する中、プノンペンにとどまらず地方都市にも高級品への需要が広がっていることが背景にある。
従来、高級ブランドの商品は首都プノンペンのショールームや正規代理店で販売されるのが一般的であった。しかし、近年ではシェムリアップ、バッタンバン、シアヌークビルなど主要都市を含む全国規模での需要が高まっている。これを受け、ルイ・ヴィトンやグッチといった世界的ブランドがEコマースを活用し、販売網を拡大している。
高級ブランドを取り扱うEコマースサイト「The Cosmo Store」の関係者によれば、カンボジアの富裕層の間でブランド志向が強まり、ジュエリー、ハンドバッグ、衣類、靴、スマートフォンなどの高級品への関心が高まっているという。
Eコマースは、そうした消費者のニーズに応える最適な手段となっている。国内でスイス製高級時計を販売する企業の幹部も「当社は現在、ソーシャルメディアを活用しているが、今後は自社独自のEコマースプラットフォームを立ち上げる計画である」と語る。
Eコマースの普及により、高級品市場はプノンペン中心から全国へと広がりつつある。従来、空港の免税店や限られた店舗でしか購入できなかった高級ブランド品が、デジタル化の進展によって自宅にいながら手に入るようになった。
プノンペンを拠点とするマーケティング専門家のイダン・コーエン氏は「カンボジアの高級市場は、可処分所得の増加とデジタル化の進展により変化している」と分析する。同氏は、Eコマースが地方市場への進出を可能にする一方で、ブランドの認知度向上にはソーシャルメディアマーケティングやインフルエンサーとの協業、限定オンラインイベントの活用が重要であると指摘した。
さらに、オンラインでも実店舗と同様の高級体験を提供することが成功の鍵となるとして「高品質なパッケージング、充実したカスタマーサービス、簡便な返品対応が不可欠である」と述べた。また、文化的な嗜好に配慮したローカライズ戦略の重要性も強調した。
カンボジアのEコマース市場はまだ発展途上であり、消費者の信頼を確保することが課題となる。コーエン氏は「商品の真正性を保証し、安全な決済方法を提供することが、消費者の不安を解消する鍵となる。地元の信頼できるプラットフォームとの提携も有効である」と語る。
Eコマースの活用により、高級ブランドは地理的な制約を超え、カンボジアのデジタル志向の強い富裕層に対して魅力的な選択肢としての地位を確立できるとみられる。
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