カンボジアのサイバー犯罪対策、国連が支援を表明

カンボジアのサイバー犯罪対策、国連が支援を表明
2025年02月03日(月)00時00分 公開
カンボジアのサイバー犯罪対策、国連が支援を表明

〈写真:Khmer times〉

 

国連カンボジア事務所は、オンライン詐欺やサイバー犯罪の増加を受け、カンボジア当局の対策強化を評価するとともに、引き続き支援を行う方針を示した。国連薬物犯罪事務所(UNODC)は、法執行機関や裁判官を対象に、暗号資産詐欺や個人情報盗難、オンライン詐欺などのデジタル犯罪への対応能力を高めるための実践的な研修を実施している。

 

東南アジアでは、オンラインショッピング詐欺や投資詐欺、巧妙な個人情報盗難、恋愛詐欺など、デジタル犯罪の手口が多様化している。UNODC東南アジア・太平洋地域サイバー犯罪対策コーディネーターのジョシュア・ジェームズ氏は、「詐欺師は新技術を悪用し、日常のオンライン活動を巧妙な罠に変えている」と指摘する。

 

こうしたサイバー犯罪の複雑な性質を踏まえ、UNODCはカンボジア国内の関係機関の連携強化を進めるとともに、能力開発や予防啓発、地域協力を通じた支援を行っている。警察、検察、裁判所の連携による適切な証拠の保存と提示が求められている。

 

サイバー詐欺対策には、法執行のみならず、予防措置や公共教育、司法機関との連携も不可欠である。UNODCの研修プログラムは、カンボジア当局の能力向上を図り、デジタル社会の安全確保に貢献することを目的としている。

 

国連総会は昨年12月24日、ニューヨークで「国際サイバー犯罪防止条約」を採択した。この条約は、各国がサイバー犯罪防止と対策を強化するための初の包括的な国際枠組みであり、重大犯罪の電子証拠共有に関する国際協力の強化も目的としている。

 

カンボジア民主主義研究所(CID)のパ・チャンロエウン所長は、「サイバー犯罪の複雑さが当局の対応を難しくしている」としつつ、「当局は積極的に対策を講じているが、詐欺ネットワークの巧妙さが課題となっている」と指摘する。さらに、政府の政治的な意志の重要性を強調し、「地域的・国際的な協力をさらに強化し、関係機関の能力向上を図る必要がある」と述べた。

 

カンボジアでは近年、人身売買犯罪への関与が国際的な批判を浴びている。2021年には、中国系犯罪組織が国内で労働者を拘束していたとする報道が問題となり、同国における違法活動の深刻さが浮き彫りとなった。こうした事例が相次いで発覚し、カンボジアは違法活動の温床とみなされるようになっている。

 

昨年8月に開催された第8回「国家宗教間人身売買対策デー」で、サー・ソカ副首相兼内務大臣は、2024年上半期にカンボジア国民がオンライン詐欺によって約4000万ドルを失ったと発表した。

 

 

 

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