日本企業、カンボジアを投資拠点として注視

日本企業、カンボジアを投資拠点として注視
2025年02月10日(月)00時00分 公開
日本企業、カンボジアを投資拠点として注視

<写真:Khmer Times>

 

JETRO(日本貿易振興機構)の石黒憲彦理事長は7日、世界的な貿易摩擦の影響を受け、日本企業がバリューチェーンや生産体制の見直しを進めていると述べ、その中でカンボジアを含む東南アジア諸国への投資拡大の動きが強まっていることを指摘した。

 

この発言はカンボジアのヴォンセイ・ヴィソット常務副首相兼首相府担当大臣との会談の中で明らかにされたものである。

 

ヴィソット氏率いるカンボジアの高官代表団は同日、日本の内閣法制局の岩尾信行長官や日本政府観光局(JNTO)の蒲生篤実会長とも会談を行った。

 

石黒氏との会談では、カンボジアと日本の貿易・投資促進に関する課題や戦略が議論された。

 

ヴィソット氏はJETROの協力に感謝の意を示し、カンボジア政府がロイヤル・ガバメント・プライベートセクター・フォーラム(公私合同会議)を通じて民間企業の懸念解決に積極的に取り組んでいることを強調した。

 

さらに、日本企業に対し、課題を率直に政府と共有し、解決策を共に模索するように呼びかけた。

 

また、労働力不足や技能訓練、新規事業支援、投資インセンティブなど、日本企業の投資を促進するための政策についても意見が交わされた。

 

両者はカンボジアの生産能力向上、製品の品質・規格改善、日本市場への輸出拡大に向けた取り組みについて協議し、JETROの新たな政策がカンボジア企業の成長支援と日系企業との協力強化を目的としていることを確認した。

 

カンボジア王立アカデミーの政策アナリストであるスン・サム氏は、日本企業のアジア移転がカンボジアにとって貴重な投資機会となる一方で、現時点では具体的な投資決定には至っていないと指摘する。

 

「外国投資家、特に日本企業は、進出前に安定性や生産能力、インフラ(水・電力・交通)に加え、汚職やコスト要因を慎重に精査する。カンボジアがより多くの投資を誘致するためには、国内の課題解決と制度改革が不可欠である」と述べた。

 

同氏によると、企業が投資を決定する前に市場調査を依頼するのは一般的であり、通常、100万ドルの投資を計画する企業は1万~2万ドルをかけて市場リスクや利益見通しを分析するという。

 

「投資家は利益を最優先に考える。市場調査の結果、採算が合わないと判断されれば、投資は実現しない。政府が本気で外国投資を呼び込むのであれば、現行の課題を解決し、投資家の信頼を高める必要がある」と指摘した。

 

ヴィソット氏は同日、内閣法制局の岩尾長官と会談し、法制度改革や立法手続きに関する協力について意見を交わした。岩尾氏はカンボジア政府代表団を歓迎し、日本の法制度に関する専門知識を共有する意向を表明した。

 

ヴィソット氏は第7期国民議会の下でフン・マネット首相が掲げる政策として「有能で効率的、清廉かつ知的な行政機関の構築」を優先課題とする方針を説明した。法の支配を確立し、国家発展を促進するため、日本の制度を参考にする姿勢を示した。

 

また、日本政府観光局(JNTO)の蒲生会長との会談では、日本の観光産業戦略や日本人旅行者の嗜好について意見が交わされた。両者は観光分野における課題を共有し、カンボジアへの日本人観光客誘致や人的交流の促進について協議した。

 

 

 

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