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<写真:Khmer Times>
カンボジア国立銀行(NBC)のチア・セレイ総裁は3月10日、デジタル決済基盤「バコン」アプリの利用者が、ユニオンペイ・インターナショナル(UPI)加盟店を通じて世界各地で支払いを行えるようになったと発表した。これは国境を越えた決済の利便性を高め、金融包摂を促進する重要な一歩であると位置づけられている。
この発表はプノンペン市内で開催された「第2フェーズ:バコン対外送金機能」正式発表式典において行われた。同式典には中国銀行クレジットカード(インターナショナル)有限公司のホー・ワイ・マン総経理や、ユニオンペイ・インターナショナル(UPI)のラリー・ワンCEO兼副会長らが出席した。
NBCとUPIは2023年12月に「第1フェーズ:対内送金機能」を導入しており、今回の第2フェーズはその成功を踏まえたものである。新たに導入された機能により、カンボジア国内のバコンアプリや地元銀行のアプリを利用する住民は、中国をはじめとする海外のUPI加盟店に設置されたQRコードをスキャンすることで、現地通貨による直接支払いが可能となった。
セレイ総裁は、この取り組みがカンボジア王国政府(RGC)の掲げるデジタル決済促進政策の一環であると述べ、金融サービスへのアクセス拡大や非現金経済の推進に資するとの認識を示した。また将来的には、参加銀行の拡大とともに、中国国内においてWeChatのQRコードをスキャンして支払うことも可能になる見通しであると付け加えた。
2024年はカンボジアと中国の「国民交流年」とされており、両国はその枠組みの下で第1フェーズを成功裡に導入していた。今回の第2フェーズの導入は、2025年を「カンボジア・中国観光年」とする発表とも連動しており、両国間の関係強化の一環として位置づけられている。
さらにセレイ総裁は、カンボジアと中国間で働く労働者による送金についても、UPIを介した安全性と透明性の高い送金ルートの整備により、家族への送金がより容易かつ信頼性の高いものになると説明した。
NBCは今後も決済インフラのデジタル化を継続的に推進し、リエル通貨の利用促進、貿易の円滑化、さらには地域経済の活性化を目指す方針である。
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