米国の関税強化とカンボジア経済、影響と今後の展望

米国の関税強化とカンボジア経済、影響と今後の展望
2025年04月07日(月)00時00分 公開
米国の関税強化とカンボジア経済、影響と今後の展望

<写真:Khmer Times>

 

ドナルド・トランプ米大統領が発表した新たな輸入関税政策により、カンボジアはASEAN諸国の中で最も高い関税率である49%を課されることとなり、経済に深刻な衝撃が走っている。米国市場への依存度が極めて高いカンボジア政府は、国家としての競争力を維持すべく、包括的な対応策の検討を急いでいる。

 

カンボジア財務経済省のメアス・ソクセンセン報道官は、経済の安定と雇用の維持を目的とした迅速な対策を講じる方針を明言した。

 

一方、在カンボジア米国商工会議所(AmCham Cambodia)のケーシー・バーネット会頭は、今回の49%という関税率は前例のない規模であり、とりわけ繊維製品や履物といった低利益率の製造業に対して即座に悪影響を及ぼすと指摘した。輸出の急減、受注キャンセル、新規投資の凍結など、経済全体への打撃は極めて深刻であるとの見方を示した。

 

バーネット氏は、現在の状況下では新たな貿易協定の締結による即時解決は困難であるとした上で、関税の即時撤廃、米国製品への無関税アクセスの提供、米国企業に対する優遇措置の導入こそが唯一の打開策であると主張した。併せて、米通商代表部との緊急協議の必要性を強調した。

 

また、カンボジア商業会議所のリム・ヘン副会頭は、関税の施行前である現時点においては影響を判断するには時期尚早であると述べ、米国市場に依存する企業は状況を注視する必要がある一方で、多角的な貿易関係が一定の緩衝材となり得るとの見解を示した。

 

カンボジア税関総局の統計によれば、2024年における対米輸出額は前年に比べて11.4%増加し、約99億ドルに達した。米国は依然として同国最大の輸出先であり、2025年1〜2月の貿易総額も16億7000万ドルとなり、前年同期比で25.7%の増加を記録している。

 

ただし、カンボジアの外交方針は一貫して中立性を保っており、今回の措置が米カンボジア間の外交関係に直接的な悪影響を及ぼす可能性は低いとの見方も存在する。アジアン・ビジョン研究所のチュン・キムロン所長は、短期的には米国にとって関税収入という形での成果があるかもしれないが、自由貿易の推進者としての米国の信頼を損なう恐れがあると警鐘を鳴らした。

 

カンボジア地域研究センターのポウ・ソティラック上級顧問も、49%の関税がカンボジア経済に深刻な影響を与えることは避けられないとした上で、発効までのわずかな期間における外交交渉の余地に言及し、相互譲歩による解決策の模索を提案した。

 

今回の関税政策は、主に中国を念頭に置いたものと見られており、ドキュメントセンター・オブ・カンボジア(DC-Cam)のユク・チャン事務局長は「象が戦えば草が踏み潰される」と述べ、米中間の緊張が小国にも波及する現実を皮肉交じりに表現した。

 

米国との関係を重視してきたカンボジアにとって、この関税措置は経済面のみならず外交面においても大きな試練となる。政府には、冷静かつ迅速な対応が強く求められている。

 

 

 

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