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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジア西部バンテアイミエンチェイ州の国境地帯において、12日午後にタイ軍がカンボジアの民間人に発砲し、1人が死亡、3人が負傷する事件が発生した。
これに対しカンボジア政府は「非道かつ非人道的な行為」であるとして強く非難し、国際社会にもタイの行動に対する非難を呼びかけた。
事件は午後3時半頃、同州オーチュロウ郡プレイチャン村のカンボジア領内で発生したものであり、タイ軍が無抵抗の村民に対してRPD軽機関銃で発砲した。
その後、カンボジア軍に対しても攻撃を加えたとされる。現場の監視カメラには銃撃の様子が記録されており、当局は証拠として提示している。
カンボジア国防省は、この銃撃が10月26日にクアラルンプールで署名された和平合意に明確に反するものであり、「意図的かつ挑発的な軍事行動」であると非難した。
フン・マネット首相も自身のSNSで「暴力は人道原則に反し、対話による平和的解決の努力を損なう」と述べ、タイ側に対して即時の攻撃停止と第三者による独立調査の実施を要求した。
これに対して、タイ陸軍報道官は事件に関する見解を示し、「銃撃はカンボジア側から先に始まり、我が軍は正当防衛に基づき、最小限の武力で対応した」と反論している。
今回の衝突の背景には、依然として未解決の国境未画定地帯における領有権問題や、地雷除去作業をめぐる対立がある。
7月の停戦合意以降も緊張状態は完全には解消されておらず、タイ側は依然として18人のカンボジア兵を拘束しており、その解放には複数の条件を付している。
今週初めには、タイ兵3人が地雷によって負傷し、これを受けてタイ政府は和平合意の一時停止を発表したばかりであった。
両国は10月にASEAN首脳会議の機会を利用して和平合意に署名し、重火器の撤去、地雷除去作業の推進、国境画定交渉の加速などに合意していた。
次回の合同国境委員会(JBC)会合は、カンボジアのシェムリアップ州で開催される予定であるが、今回の事件が協議の進展に影響を及ぼすことは避けられないとみられている。
マレーシアのアンワル首相は、ASEAN議長国として引き続き調停努力を継続する意向を表明しており、米国もまた、両国に対し和平合意の履行と地域の安定維持を求めている。
カンボジア政府は平和的解決を目指す立場を堅持しているが、国境地帯での軍事衝突の再燃は、今後の両国関係に深刻な影を落とす可能性がある。
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