5月20日を新たに祝日に制定へ、総選挙を見据えた動きか

5月20日を新たに祝日に制定へ、総選挙を見据えた動きか
2018年05月20日 00時00分 公開
5月20日を新たに祝日に制定へ、総選挙を見据えた動きか


今月20日、来年より毎年5月20日がカンボジアの祝日に加わることが決まった。20日にカンボジア政府が発表した声明によれば、5月20日はクメール・ルージュ体制(ポル・ポト派)が崩壊した日とされており、当時の犠牲者を悼むために祝日に制定されたという。

クメール・ルージュ体制とは指導者ポル・ポトの急進共産主義体制のことだ。この体制では命令に従わない者を虐殺し、また大量の餓死者も出した。当時約800万人いた国民のうち約170万人が犠牲になったとされている。

20日、数百人の政府関係者らがチューン・エック・キリングフィールド(Choeung Ek killing fields)で、クメール・ルージュ体制下で亡くなった犠牲者を悼んだ。

同日、カンボジア政府は犠牲者を偲ぶ式典を開催し、その際に5月20日をカンボジアの公式の祝日にすると発表した。

20日、カンボジア人民党(CPP)のPa Socheatevong元プノンペン知事は「クメール・ルージュ体制下で行われた蛮行は30年以上経過した現在でも国民の心に影を落としている」と語った。

さらに、同氏は「フン・セン首相率いるカンボジア人民党だけが唯一、クメール・ルージュ体制下で行われた蛮行の卑劣さを国民に伝え、カンボジアが同じ過ちを繰り返さないように導くことができるのだ。カンボジアが再び悲惨な歴史を歩むことがないよう、全員が結集しなくてはならない。今年の7月に行われる総選挙では国を正しい方向へ導いてくれる指導者に投票してほしい」と続けた。

クメール・ルージュ体制下で投獄され酷い虐待を受けたChum Meyさん(87)は今回の式典に出席した。Meyさんは「今になっても当時の記憶が鮮明に残っている。ポル・ポトらは罪のない我々一般市民に非人道的行為を繰り返したのだ。電気を使って痛めつけられ、暴行された。爪も無理やり剥がされたし、十分な食事も与えられなかったのだ。悲惨な歴史を繰り返さないためにも、カンボジアの若者にはこの悲惨な出来事をしっかり伝えるべきだ。そして、この歴史を次世代に継承してほしい」と語った。

カンボジア人民党のSok Eysan広報担当は「今回の祝日の制定で、カンボジア国内の政治が安定し、国が発展してさらに平和になることが期待される。5月20日はカンボジアの全国民にとって大きな意味を持つだろう」と話した。

出典:KhmerTimes

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