カンボジア3省庁が本格的にメディア統制へ、SNSやテレビ放送などを監視

カンボジア3省庁が本格的にメディア統制へ、SNSやテレビ放送などを監視
2018年06月04日 00時00分 公開
カンボジア3省庁が本格的にメディア統制へ、SNSやテレビ放送などを監視


カンボジアの3つの省庁は今後、共同で国民のウェブサイトへの書き込みやSNSへの投稿、テレビ放送の内容を監視する方針を明らかにした。この監視は国家の安全保障や差別撤廃が目的だという。

28日、カンボジアのSar Kheng内務大臣とTram Iv Tek電気通信省大臣、Khiev Kanharith情報大臣が共同声明を発表し、声明の中には10の文言が盛り込まれた。共同声明で「今後カンボジア国内のテレビ放送、携帯電話で送受信されるメールやボイスメッセージ、画像、動画が監視対象になる。今回の管理や監視の目的はメディアを通じてカンボジア国内に混沌をもたらすことや国家の安全を脅かすこと、カンボジアの伝統文化や慣習を損ねることを防止するためだ」と述べている。

今後、3つの省庁は出版物やインターネットを監視し、国家の安全や伝統文化、慣習を脅かす内容のものを国民が投稿したら法的処置を実施することになる。

情報省の広報担当であるOuk Kimseng氏は「3つの省庁が協力することでフェイクニュースの拡散を防ぐことができるだろう。現在、カンボジア国内でも国際社会と同様にフェイクニュースが蔓延しているのだ」と述べた。

内務省の広報担当であるKhieu Sopheak氏は「内務省は声明の内容を実行に移す。世界各国にもメディア統制を認める法律が存在している。メディア統制はカンボジアだけではないのだ。メディア統制が必要な理由を説明するために具体例を挙げると、仮にラジオでカンボジア人兵士たちが戦線で飲み水が尽きて苦しんでいると報道され、この報道が外国にも広がるとカンボジアの国家安全保障に関わる大問題だ。国家のためにも、自らの身を滅ぼさないためにも国民はフェイクニュースの投稿は控えてほしい」と語った。


電気通信省の広報担当であるIm Vutha氏は今回の声明に関するコメントを控えている。

カンボジアのメディア独立機関CCIM(Cambodia Centre for Independent Media)の広報担当であるSek Sophal氏は「今回のメディア統制が結果的にフェイクニュースの拡散や犯罪を防止できるなら歓迎する。ただ、統制の真の目的が政府にとって都合の悪いニュースを封じ込めることだとすれば、言論の自由が脅かされ国民にとって弊害でしかないだろう」と述べた。

出典:KhmerTimes

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