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河野太郎外務大臣は、7月29日に行われたカンボジア総選挙で、無効票が5年前の総選挙と比べ圧倒的に多かったことに対し懸念を示した。
河野外相はASEAN関連外相会議に出席するために訪問したシンガポールで、4日、カンボジアのプラク・ソコン(Prak Sokhonn)外相と会談した。
河野外相はカンボジア総選挙で無効票が多数あったことを受け、残念な結果だったと話した。
同外相は「今回のカンボジア総選挙は残念な結果に終わった。無効票が多数あり、また日本はこれまでカンボジアに対し民意を反映した公正な選挙を求めていたにもかかわらず、今回の選挙は民主的とは言えるものではなかった」とNHKで語った。
河野外相はカンボジア政府に対し、野党と対話できる環境を整え民主的な選挙プロセスを実現するように求めていた。
一方、カンボジアのソコン外相は、カンボジアは民主的な選挙をおこなったと反論した。
選挙管理委員会が発表している選挙暫定結果によると、投票率は82.89%、与党カンボジア人民党(CPP=Cambodian People's Party)の得票率は76.78%だという。
ただ、2013年総選挙における無効票は10万票だったにもかかわらず、今回の選挙では無効票が60万票にのぼった。
選管の広報担当Hang Puthea氏は河野外相のコメントを受け、日本はカンボジアの内政に干渉するべきではないと語った。
同広報担当は「世界中の全ての国から支援を受けるのは現実的ではない。今回、60万票の無効票があったとの指摘を受けているが、有効票の数と比べれば依然として低い数字だ」と述べた。
そして、Puthea氏は「今後日本がカンボジアに対する支援をストップするとしても構わない。日本は王国の内政に干渉するべきではない。日本は民主主義を実施する際には必ず障害が出てくることを認識しているはずだ」と続けた。
今回の選挙で、日本は1万5000個の投票箱など計750万ドル(約8億円)をカンボジアに援助した。一方、米国や欧州は昨年のカンボジア救国党(CNRP=Cambodia National Rescue Party)解党を受けて、カンボジア総選挙への支援援助を停止している。
日本政府は、1998年から2008年にかけてカンボジア選挙管理委員会に計1300万ドル(約14億円)の資金援助をおこなってきた。
一方、ASEAN関連外相会議の前の8月1日、中国の王毅外相はカンボジアのソコン外相と会談をおこなっている。
王毅外相はカンボジアが総選挙を円滑に実施したことを祝し、世界各国がカンボジアの内政に干渉していることを非難した。
王毅外相は「中国は常にカンボジアの独立や安定を支援し、世界各国がカンボジアの国内事情に干渉することを非難する。今後も中国はカンボジアの経済発展と政治的安定の継続のために支援を続ける」と語った。
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