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<写真:Unsplash>
アメリカは19日、強制的な性労働を阻止する努力や移民労働者を支援する取り組みが弱いとして、カンボジア、ベトナム、ブルネイ、マカオを人身売買のブラックリストに追加した。
また、アメリカは年次報告書の中で権威主義体制により支配されているベラルーシをブラックリストに、人身売買を真剣に受け止めていないという懸念からブルガリアを監視リストに追加した。
アントニー・ブリンケン国務長官は、「この報告書を見れば進歩の度合いがまちまちであることが分かるだろう。汚職は人身売買業者の 『トップツール』であり、政府は見て見ぬふりをする」と述べた。
同氏はまた、「私たちは外交を通じて気候や汚職などの問題に取り組むと同時に、それらが人身売買とどのように交錯しているのかに対処しなければならない」と述べている。
アメリカ国務省が毎年発表する人身売買に関する報告書は、歴史的に緊密な同盟国にも適用され、しばしば摩擦を引き起こしてきた。
ブラックリストに載った国(Tier 3)はアメリカの制裁の対象となるが、改善を約束した国に対しては制裁を免除している。
同報告書は、カンボジアでは「腐敗が蔓延」しており、娯楽施設やレンガ窯、オンライン詐欺事業などに人身売買された子どもたちなど数千人を救済する取り組みが阻害されていると指摘した。
当局はしばしば工場やレンガ窯での強制児童労働を含む労働虐待を見過ごし、否定し、軽視し、業者と結託して逃亡を図った年期奉公者を逮捕、投獄、帰国させているという。
ベトナムは中国の台頭に対する懸念を共有することでアメリカとの関係を温めてきたが、アメリカ国務省はベトナム政府が2021年に訴追を減らしたと発表し、Tier 3への格下げを行なった。
特に、サウジアラビアに駐在するベトナム人外国官と大使館職員が自国民数名の人身売買に加担したとして告発されたが、ベトナム政府が何の措置も取らなかったことが問題視されている。
カジノと性産業で有名なマカオでは、当局が3年連続で人身売買被害者に対して対処を行わなかったとして報告されている。
セルビアとともに、改善がなければブラックリストへの格下げの恐れがあったブルガリアについてアメリカ国務省は、当局が捜査した人身売買者は非常に少なく、被害者を犯罪者として処罰することもあったと述べている。
また、オランダ王国の一部であるカリブ海のシント・マールテン島も新たにブラックリスト(Tier 3)に加えられた。
人身売買のブラックリストには、昨年から継続してマレーシア、アフガニスタン、キューバ、エリトリア、ギニアビサウ、イラン、ミャンマー、北朝鮮、ニカラグア、ロシア、南スーダン、シリア、トルクメニスタン、ベネズエラがリストアップされている。
一方で、アルジェリアとインド洋のコモロ諸島は、ブラックリストからの除外が決定した。
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