カンボジア、人身売買を教育項目へ

カンボジア、人身売買を教育項目へ
2020年12月25日 17時41分 公開
カンボジア、人身売買を教育項目へ

カンボジア当局によると、2021年から国内の学校で人身売買の危険性や法律についての授業が教育項目に追加されるという。

教育・青年・スポーツ省の報道官は、カンボジアは来年までに人身売買の問題を改善できなければアメリカによる制裁を受ける可能性があり、小学生と高校生を対象に授業を行うと述べた。

また、2021年から導入される人身売買の授業では、性的目的の人身売買に焦点を置き、違法薬物犯罪やその他の犯罪についても指導することになると続けた。

 

オーストラリア人権NGOの「Walk Free Foundation」が発行する『世界奴隷指標(Global Slavery Index)』によると、カンボジアの人口1600万人のうち、26万人が「現代奴隷(Modern Slavery)」に陥っている状況だという。

「現代奴隷(Modern Slavery)」とは、拘束労働、児童労働、強制労働、人身取引などを指し、現在も続く奴隷状態におかれた労働形態を指す。

 

同団体によると、数千人のカンボジア人が外国に人身売買されており、中国で強制的に結婚させられるケースについては、新型コロナウイルスの発生後に以前の倍近い件数になったという。

また、タイへの人身売買も増加しており、タイ国内で違法に労働するカンボジア人の数も増加しているという。

 

新しく追加される授業で学生は、人身売買の種類、人身売買を防止するための学校や社会の取り組みや、関連する法律や権利などを学ぶという。

反人身売買の活動家らはこの取り組みを賞賛しているものの、授業は人身売買の仕組みまで掘り下げて行われた時のみ効果的だとした。

反人身売買に取り組むNGOの「Chab Dai」のChan Saron氏は、子どもたちが労働搾取や強制結婚のためにブローカーの標的にされる可能性の高い国境地域は、特に注意を払う必要があると述べている。

 

 

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