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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジアは、近年の対タイ国境貿易の混乱を背景に、隣国ベトナムとの経済連携を一層強化する方針を打ち出した。
8月14日には、カンボジア人民党(CPP)総裁で元首相のフン・セン上院議長と、ベトナム共産党中央委員会書記長のトー・ラム氏がオンライン形式で会談を行い、二国間貿易の拡大に向けた協議が行われた。
会談後の記者会見で、CPP報道官のチェア・ティリス氏は、両国が将来的に二国間貿易額を200億ドルまで拡大する方針を確認したと発表した。
2025年1〜7月期におけるカンボジアとベトナム間の貿易総額は約70億ドルで、このうちカンボジアからの輸出が38億ドル、輸入が32億ドルを占めている。
ベトナムは現在、カンボジアにとって第3位の輸出相手国となっている。
フン・セン氏は、草の根レベルから中央政府までの政党間および政府間協力の深化により、経済・貿易・投資分野において制度的な安定が確保されていると指摘した。
両国の友好関係は、国境を越えた経済成長やビジネス機会の創出に貢献していると述べた。
一方、トー・ラム氏は、CPP主導の下で進展するカンボジアの社会経済発展を評価するとともに、タイとの国境問題解決に向けた取り組みを歓迎した。
地域の平和と安定には、国際法およびASEANの枠組みに基づく平和的解決が不可欠であるとの認識を示した。
カンボジア王立アカデミーの政策アナリスト、スン・サム氏は、タイとの関係悪化を受けて一部国民の間でタイ製品の不買運動が広がっていると指摘し、ベトナムとの貿易拡大は戦略的対応と位置付けられると分析した。
特にクラチエ、コンポンチャム、プレイベン、カンダール、タケオといったベトナム国境沿いの州では、米、キャッサバ、カシューナッツ、ゴムといった農産品の輸出に大きく依存している。
一方、ベトナムからは野菜、果物、魚、肉類などの生活必需品が供給されており、相互補完的な貿易構造が形成されている。
同氏はまた、今後の課題として国境通関における品質管理体制の強化を挙げている。
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