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<写真:khmertimeskh.com>
韓国外務省は12月5日、カンボジアにおける韓国人を標的とした詐欺犯罪の報告件数が減少していることを受け、同国の一部観光地に対する渡航警報レベルを引き下げたと発表した。
アンコール・ワットを擁するシェムリアップ州の警報レベルは、従来のレベル2(旅行自粛勧告)からレベル1(注意喚起)へと緩和された。
首都プノンペンについても、特別警報に相当するレベル2.5からレベル2へ引き下げられた。
一方で、カンポット州のボーコー山地域、バヴェット市、ポイペト市などについては、依然として最も高いレベル4(渡航禁止)が維持されている。
シアヌークビル州も引き続きレベル3(退避勧告)に据え置かれ、その他の特別警報地域にも変更はなかった。なお、警報の対象外地域については原則としてレベル1が適用される。
韓国外務省によれば、プノンペンおよびシェムリアップにおける詐欺関連犯罪の大幅な減少は、現地当局との連携強化の成果であるという。
韓国とカンボジアの警察当局が合同で設置した捜査タスクフォースの拡充や、在カンボジア韓国大使館における警察官および事務職員の増員が、治安改善に寄与したとみられている。
また、先週には長らく空席となっていた駐カンボジア韓国大使のポストに、韓国警察庁の元長官キム・チャンリョン氏が新たに就任した。
治安対策の強化と外交関係の安定化に向けた動きと位置づけられる。
今回の措置の背景には、10月に発覚した韓国人大学生(22)の殺害事件がある。
同氏はカンポット州の山中で遺体となって発見され、この事件を通じて国際詐欺組織の実態が浮き彫りとなった。
韓国外務省によれば、今年に入りすでに300人以上の韓国人が同様の詐欺組織に巻き込まれており、その多くが偽装された高収入求人を通じて、恋愛詐欺やフィッシング詐欺などに強制的に従事させられていたという。
外務省は、観光地の一部において危険度が低下している一方で、依然として警戒レベルが高い地域では重大なリスクが存在するとして、引き続き慎重な対応を求めている。
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