シェムリアップの観光業、韓国からの渡航自粛で打撃

シェムリアップの観光業、韓国からの渡航自粛で打撃
2025年11月05日(水)00時00分 公開
シェムリアップの観光業、韓国からの渡航自粛で打撃

<写真:khmertimeskh.com>

 

カンボジア北西部に位置するシェムリアップ州では、韓国政府による渡航自粛勧告の影響により、韓国系企業が深刻な経営難に直面している。

 

アンコール遺跡群を目的に同地域を訪れていた韓国人観光客の数が急減し、韓国人が経営する飲食店や旅行代理店では、売上の大幅な減少が相次いで報告されている。

 

韓国観光公社(KTO)の統計によれば、2025年1月から7月までにカンボジアを訪れた韓国人観光客は10万6686人で、前年同期比9%の減少となった。

 

特に今冬に予定されていたチャーター便の大半がキャンセルされ、観光シーズンの需要は大きく落ち込んでいる。

 

渡航自粛の背景には、カンボジアとタイの国境地帯における安全保障上の緊張の高まりがある。

 

これを受けて、韓国外務省は一部地域に対し「旅行自粛」レベルの特別旅行警報を発出し、観光客の渡航控えが加速した。

 

他方、韓国人観光客はインドネシアなど他の東南アジア諸国に流れており、2025年上半期にはこれらの国で訪問者数が前年比19%増と好調な伸びを見せている。

 

シェムリアップの観光産業にとって、韓国市場の縮小は深刻な打撃となっている。

 

こうした事態を受けて、カンボジアと韓国は2025年11月、合同作業部会およびタスクフォースを設置し、国境を越えた詐欺や犯罪への対策強化に向けた協力を開始した。

 

韓国政府はカンボジア警察に対し、訓練や能力構築の支援を実施しており、既に複数の事件で容疑者の逮捕および韓国への送還が行われている。

 

それにもかかわらず、現地の韓国人事業者の間では、経営継続を断念し他国への移転や本国への帰国を検討する動きが広がっている。

 

関係者は「渡航警報の早期見直しに加え、観光促進策や現地企業への経営支援策が急務である」と訴えている。

 

 

 

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