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<写真:khmertimeskh.com>
インド外務省は12月23日、タイ・カンボジア国境地帯においてヒンドゥー教の主要神であるヴィシュヌ神の像が破壊されたことに対し、強い遺憾の意を表明した。
この行為は宗教的感情を著しく傷つけるものであり、対立する両国に対して対話の再開を強く促した。
破壊されたヴィシュヌ像は、タイ東北部ウボンラーチャターニー県チョンアンマ地区の国境付近に設置されていたものであり、12月22日にタイ軍が建造物とともに重機を用いて撤去した。
タイ側の行動は、同地域に対する軍事的支配を強化する一環であると見られている。
インド外務省の報道官であるランドヒル・ジャイスワル氏は「ヒンドゥー教および仏教の神々は南アジア全域において深く崇敬されており、それらは共有される文明遺産の一部である」と述べた。
その上で「領有権を巡る主張は別問題であり、このような軽率かつ破壊的な行為は、世界中の信仰を持つ人々の感情を深く傷つけるものである」と非難した。
さらに同氏は「両国は対話と外交による解決に立ち返り、平和を回復するとともに、さらなる人的・物的損失を避けるべきである」と訴えた。
一方、カンボジア文化・美術省も同日、タイ政府および軍の行動を厳しく非難する声明を発表した。
同省は、タイ軍がカンボジア領内深くに侵入し、砲撃や戦闘機による攻撃を繰り返していると主張した上で、これにより生命や住宅、寺院、文化遺産が破壊されていると指摘した。
声明によれば、被害を受けた施設には、オッダー・メアンチェイ州のター・クラベイ寺院およびユネスコ世界遺産に登録されているプレア・ビヒア寺院などが含まれている。
カンボジア側は「ヴィシュヌ像およびター・オム像の破壊は、文化と宗教を顧みない非道で不道徳な行為である」と断じた。
さらにカンボジア政府は、1954年および1972年の国際条約の締約国ならびに国際社会に対し、タイ軍の行動を非難するように呼びかけた上で、クアラルンプール共同宣言に基づく平和的解決を求める姿勢を強調した。
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