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<写真:Unsplash>
人身取引対策委員会が6日に発表した報告書によると、カンボジアにおける2021年の人身売買の件数は、前年と比較してほぼ2倍に増加したという。
ラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
同委員会のChou Bun Eng副委員長は、地元ラジオ局のインタビューで、「以前は人身売買犯はカンボジアを経由していたが、今はカンボジアが人気のある人身売買の目的地になっている」と述べた。
人身売買を行う容疑者は、カンボジアで働くように誘い、被害者を連れてきているという。
同副委員長は、昨年の人身売買の件数は大きく変化し、2020年には155件だったが2021年は359件に増加したと述べた。
人身売買の中でも代理出産者が増加傾向にあり、以前はカンボジア人の代理母が国内で出産するのが一般的だったものの、現在は他の国に移動しているという。
代理母は人身売買組織によりパスポートや身分証明書などを没収されることがあるため、出産後も人身売買の危機にさらされている。
Chou Bun Eng副委員長によると、ある代理母はベトナム当局により逮捕された。
人身売買組織は、警察の摘発を逃れるため、オンラインを利用した巧妙な手口で被害者となる人を誘い出しているという。
同副委員長は、2020年以降、カンボジア人約20万人が海外で働くために出国したが、約束された報酬は支払われなかったと述べた。
カンボジア人権促進保護連盟のAm Sam Ath氏は、RFAに対して性産業へ売買されるカンボジア人の多くは未成年だと明かした。
また、カンボジア当局は、この問題についてパンデミック前から注意を払っていなかったと指摘。
未成年者に対する暴力、性的暴行、人身売買は今も続いているとし、政府に対して未成年者の人身売買を防止するための対策を強化するよう要請すると述べた。
米国務省は2021年の人身売買取引報告書で、カンボジアを3年連続で要注意国(Tier2 Watch List)に分類した。
これは、人身売買撤廃のための最低基準を完全に満たしてはいないものの、そのための重要な努力を行っていることを意味している。
この報告書では、世界のほぼ全ての国を対象として、人身取引への関与度が小さい順に「Tier 1」「Tier 2」「Tier 2 Watchlist」「Tier 3」の4段階に分類している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。