人身売買被害者からの臓器摘出の噂が広がる、当局が事実関係を否定

人身売買被害者からの臓器摘出の噂が広がる、当局が事実関係を否定
2022年09月28日 16時04分 公開
人身売買被害者からの臓器摘出の噂が広がる、当局が事実関係を否定

<写真:Khmer Times>

 

シアヌークビル州で469人の人身売買や強制労働被害者が救出されるといった取り締まりが続く中、臓器摘出に関する主張が後を絶たない。

 

人身売買の被害者から臓器が摘出されたという主張が雪だるま式に広まり、カンボジアを訪れる予定の人々に恐怖と不安を与えている。

 

捜査の結果によると、こうした疑惑は詐欺集団が労働者を拘束するために発した単なる脅しに過ぎないことが判明した。

 

「詐欺組織の監督者や執行者の命令通りに仕事をこなせなかった者は体を切り開かれて内臓を摘出され、ダークウェブを通じて闇市場で売られる危険がある」という動画がクメール語のブログサイトなどに出回ったことが発端となっている。

 

この主張は外国人がカンボジアや他の東南アジア諸国で、米ドルでの高収入を約束する詐欺に騙されて人身売買被害に遭う事件が相次いでいることに端を発しており、何千人もの被害者が存在するとされている。

 

警察当局のA氏によると、ASEAN10ヶ国のうち少なくとも半数の国で違法なオンラインギャンブルやその他の詐欺行為を目的とした人身売買が行われているとされており、この疑惑がカンボジアに大きな損害を与え、他の2ヶ国にも若干の損害を与えている。

 

同氏は「カンボジアの人身売買事件は多くの国やメディアにより強調され、不当に特別視されている。現在までに警察は事件に加担した数百人の容疑者を摘発したが、疑惑と比較すると実件数は僅かである。警察の捜査の結果、臓器摘出・売買の疑惑は詐欺組織が労働者を拘束するために用いた単なる脅しに過ぎず、臓器が摘出された事実はない」と述べた。

 

また、人身売買被害者の出身国でリクルーターを逮捕することが弱い立場の人々を食い物にする詐欺組織を最小化し、撲滅することに大きな役割を果たすという。

 

今年7月にアメリカはカンボジアが人身売買問題に効果的に対処できていないとして、同国の人身売買指数を最低ランクであるTier 3に引き下げた。

 

サーケン内務大臣によると、犯罪の首謀者の99.95%はカンボジア人ではなく、他国からカンボジアへの人身売買首謀者はカンボジア人ではないという。

 

2017年にはカンボジア人が腎臓やその他の重要な臓器を売るためにインドに渡航するよう説得されて賄賂を受け取った事件が発生しており、カンボジア人2人が身体の一部を売買した疑いで逮捕・起訴されている。

 

 

 

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