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<写真:Khmer Times>
カンボジアで少女が死亡したH5N1型鳥インフルエンザに関連して、同ウイルスがヒトへの感染力を強めるように変異した可能性があり、科学者らが「最大限の懸念を持って扱われる必要がある」と警戒を呼び掛けている。
クメールタイムズ(電子版)が報じた。
カンボジアのパスツール研究所で少女が感染したウイルスの遺伝子配列解析を行なったErik Karlsson博士によると、解析したウイルスが鳥から採取したものとは異なっており、少女が別の人間から感染した兆候がある。
しかし、鳥インフルエンザウイルスはまだ完全にヒトに適応しておらず、基本的には「まだ鳥に感染するウイルス」であるという。
大規模感染には鼻の細胞にある受容体と結合できるような突然変異が必要であり、現時点では変異した可能性があるウイルスが広範囲で感染を発生させることはないという。
死亡した少女が感染したウイルスは、世界中で野類や哺乳類への感染が急速に拡大している「クレード2.3.4.4b」とは異なる「クレード2.3.2.1c」であったことが判明している。
同博士はこのことが状況を軽視する理由にはならないと指摘し、世界中の国・地域にウイルスの監視を続けるように呼びかけた。
H5N1型がヒトに感染した場合の死亡率は約50%で、現在までに世界では870件程度のヒト感染が確認されている。
過去1年間で「クレード2.3.4.4b」に感染した1500万匹以上の動物が死亡し、各国政府はウイルス蔓延を抑えるために2億匹以上を殺処分し、アメリカだけでも5800万匹が殺処分された。
カンボジアの保健当局はウイルスが人と人との間で広がっている証拠はまだないとしており、少女と父親が恐らく鳥とみられる同じ感染源から感染したとの見方を示している。
また、保健省のOr Vandine報道官は2月27日に「調査が進行中である。人から人への感染は考えにくいが、まだ完全に否定することはできない。専門家による調査結果を待つべきである」と述べていた。
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