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<写真:Radio Free Asia>
カンボジア政府へ社会倫理の回復を促すために国内でデモ行進をしていた僧侶が、野党政治家との関係を懸念した当局によって1週間で2度逮捕され、聖職剥奪となった。
ラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
デモ行進に参加していたSim Mao氏によると、9日に警察はバッタンバン州Moung Ruessei地区で僧侶のSoy Sat氏(72)を逮捕し、地元の寺院へ連行した後、野党・キャンドルライト党に所属しているとして聖職を剥奪した。
デモ行進の参加者であるCheat Kamara氏も逮捕されたが、Soy Sat氏の聖職剥奪後に釈放されている。
Kamara氏によると、僧侶らはSoy Sat氏に対して「僧侶は食事と宗教の実践をするべきであり、政治に関与するべきではない」と忠告していた。
Soy Sat氏は「僧侶は社会に注意を払い、良い社会倫理と調和を提唱するべきである」として、今回の逮捕を「残忍な」行為であるとしている。
カンボジア人権促進保護連盟(LICADHO)のIn Kongchit氏によると、警察がSoy Sat氏に対して、プノンペンで内務省からバッタンバン州でのデモ許可を得るように要請したが、Soy Sat氏は拒否したという。
Soy Sat氏は1日にデモ行進を開始し、7日にポーサット州で警察による尋問を受けた。
同氏は当局に対し、「キャンドルライト党のRong Chhun副党首から食料品の寄付を受け取ったが、党の会合には参加しておらず、デモ行進はどの政党とも関係がない」と述べている。
2月上旬にSoy Sat氏は内務省の許可の下、Rong Chhun副党首や他のデモ隊とともにプノンペンからポーサット州までデモ行進を行い、数日後に主僧侶から「人々を煽動している」「平和を破壊しようとした」と非難され、コンポンスプー州の寺院から追放された。
カンボジアでは僧侶がデモに参加することはよくあるが、追放されるのは異例である。
同国では7月に野党キャンドルライト党とフンセン首相率いる与党カンボジア人民党が対決する総選挙を控えており、当局が野党関係者を政治的動機に基づく罪で逮捕しはじめている。
カンボジア人民党は過去10年間で党や政府内の慢性的な腐敗によって支持率が低下しており、反対派は人権侵害や社会倫理の悪化、不処罰の文化につながったと指摘する。
今回の僧侶の逮捕について、RFAはバッタンバン州警察署長からのコメントは得られていないという。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。