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<写真:Khmer Times>
カンボジア地雷対策センター(CMAC)のヘン・ラタナ事務局長は1月8日、東北大学名誉教授である佐藤源之教授およびイタリアの地雷探知機メーカーCEIAの代表と会談し、カンボジアで使用されている高度地雷探知システム(ALIS)の改良について議論した。
会談では佐藤教授がカンボジアで長年使用されてきた旧型ALIS地雷探知機をシェムリアップ州に建設中のテチョ平和博物館に寄贈する計画を明らかにした。
ラタナ氏は「日本のチームはCMACとの協力のもと、ALISの評価とシステム改良を行うため来訪している。今回の協力ではイタリア企業CEIAと連携し、新しいソフトウェアも提供していただいた」と述べた。
ALIS技術は2005年から佐藤教授とCMACが共同研究を進めてきた成果であり、約20年の取り組みの末、国際市場でも評価される地雷探知技術として確立した。
2024年には日本政府から12台のALIS地雷探知機がCMACに寄贈され、カンボジアの地雷除去活動に活用されている。
ラタナ氏は「佐藤教授は忍耐力と革新性を象徴する存在であり、彼の研究は人道的な意義を持つ重要な成果である」と語った。
さらに、旧型ALIS機器をテチョ平和博物館に展示するという佐藤教授の提案を受け入れたことを明らかにした。
これらの機器は現在日本に保管されているが、今後博物館へ移送される予定である。
テチョ平和博物館はシェムリアップ州プラサット・バコン地区に建設され、カンボジアと日本の協力の象徴として存在している。
博物館は108m四方の正方形の構造を持ち、直径52mのドーム型屋根を備える。
この博物館は地雷や戦争の遺物除去を通じて平和を促進する役割を果たしており、教育活動を通じて若い世代に平和の重要性を伝える場としても注目されている。
また、2024年11月には「地雷なき世界」をテーマにしたオタワ地雷禁止条約第5回締約国会議がシェムリアップ・アンコールサミットの一環として開催された。
カンボジアではこれまでに3000k㎡以上の土地が地雷除去され、首都プノンペンを含む24州のうち14州が地雷ゼロを達成している。
この成果は地域の安全と経済発展に大きく貢献した。
テチョ平和博物館は戦争の記憶を後世に伝える歴史的な拠点として、カンボジアと国際社会の協力を象徴する存在であり続けている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。