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〈写真:Khmer times〉
カンボジアにおける小規模事業向け消費者ローンの未払い残高が、2024年12月時点で351億4000万ドルに達した。クレジット・ビューロー・カンボジア(CBC)の報告によれば、ローン残高は増加を続ける一方で、融資口座数は減少傾向にある。
第4四半期の小規模事業向けローン申請件数は、前期比で13.2%減少した。特に農業部門は24.8%減、資産金融部門は22.0%減と、業種ごとに大きな差が見られた。地域別では沿岸部と高原地域での減少幅が大きく、沿岸部の農業ローン申請は25.8%減、高原地域の資産金融ローン申請は24.5%減となった。
一方、融資申請額は8.9%増加しており、特に建設部門では40.2%の大幅な伸びを示した。これにより、ローン需要の一部は引き続き堅調であることが明らかになった。
2024年12月末時点で、小規模事業向けローンの融資口座数は前期比1.1%減の183万口座となった。業種別では、運転資金向けローンが全体の52.8%を占め、農業向けローンは30.8%にとどまった。建設や資産金融向けローンの割合は比較的小さく、地域別ではすべての地域で口座数が減少した。特に高原地域(1.5%減)と沿岸地域(1.4%減)での減少幅が目立った。
ローンの返済状況は改善しており、返済が30日以上遅延する「30+DPD(Days Past Due)」の割合は、第3四半期の9.0%から第4四半期には8.3%へと低下した。ただし、建設ローンの30+DPD比率は12.7%と依然として高い水準にある。また、地域別ではトンレサップ地域(9.7%)と沿岸地域(9.4%)で30+DPDの割合が上昇した。
借入行動については、65%の顧客が1つの金融機関のみと取引しており、35%は複数の金融機関から融資を受けていた。ローン口座の保有状況をみると、49.4%が単独のローン口座を持ち、32.7%が2口座、13.1%が3口座を保有。4口座以上を持つ顧客は4.8%にとどまった。
CBCのオー・ソテアロスCEOは「小規模事業向けローンの申請件数は減少したが、申請額は前四半期より増加した。融資口座数は1.1%減少したものの、ローン残高は1.3%増加し、消費者ローン市場の成長を反映している」と述べた。また、「ローンの質は改善しており、30+DPD比率は前四半期の9.0%から8.3%に低下した」と指摘している。
消費者ローン残高の増加と小規模事業向け融資の減少傾向は、カンボジアの金融環境が複雑化していることを示している。建設や運転資金向け融資の拡大が続く一方で、一部の業種や地域では慎重な融資姿勢が見られる。地域ごとにローンのパフォーマンスにばらつきはあるものの、全体的な見通しは良好であり、ローン品質の改善と残高の持続的な成長が期待される。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。