カンボジアの住宅ローン残高、約70億ドルに到達

カンボジアの住宅ローン残高、約70億ドルに到達
2025年01月09日(本日)00時00分 公開
カンボジアの住宅ローン残高、約70億ドルに到達

<写真:Khmer Times>

 

カンボジア国立銀行(NBC)の最新報告によれば、2024年10月時点でカンボジアの住宅ローン(自住用物件のみ)の総額は約69億ドルに達した。

 

この金額は銀行や金融機関が経済セクター全体に提供した信用供与総額約609億ドルの11.2%を占めている。この成長は卸売・小売業、建設業、不動産業、製造業など主要セクターへの融資拡大が要因である。

 

SAMSNグループの会長サム・ソクヌーン氏は、不動産市場の停滞について、新型コロナウイルスの影響や世界経済の不確実性が背景にあると指摘している。

 

これらの要因により、銀行や金融機関が住宅購入者への融資を引き締めた結果、不動産売買が大幅に減少しているという。

 

ソクヌーン氏は「不動産市場は停滞気味であり、取引件数は2019年以前と比べて大幅に減少している」と述べる一方で、好立地物件の売却価格が市場価格を大幅に下回るケースは依然として少ないと付け加えた。

 

同氏は不動産市場が徐々に回復し、需要と供給のバランスが取れることで成長が期待されるとして、政府のインフラ整備が進むことで不動産セクターはさらに活性化すると予測している。特に新たな橋や道路の建設が進む地域では、土地価格が上昇し始めていると述べた。

 

一方、ACLEDA銀行のシニアグループ最高財務責任者マー・アマラ氏は、新型コロナ以前と比べて融資の成長率は鈍化しているが、カンボジアの金融セクターは依然として外部からの挑戦に対して強い耐性を持っていると評価している。

 

融資の減少は金融機関による慎重な融資方針の結果であり、この方針が融資の成功率を高め、顧客が資金を有効に活用できる状況を作り出しているという。

 

土地管理・都市計画・建設省(MLMUPC)の年次報告書によれば、2024年には全国で2633件の建設投資プロジェクトが承認されており、これらのプロジェクトの総面積は1000万㎡を超え、投資総額は約43億3000万ドルとされる。

 

しかし、2024年の承認件数、投資額、建設面積はいずれも2023年と比較して減少している。前年には2924件のプロジェクトが承認され、総面積は1200万㎡以上、投資額は約51億ドルであった。2024年の承認プロジェクト数は2023年と比べて15.17%減少している。

 

カンボジアの住宅ローン残高や不動産市場は停滞傾向にあるが、政府のインフラ整備や金融セクターの堅調さが不動産セクターの長期的な成長を後押しすると期待されている。不動産市場の回復が経済全体の活性化につながるかどうかが今後の注目点である。

 

 

 

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