カンボジアの電子商取引市場、25年に17.8億ドルへ拡大

カンボジアの電子商取引市場、25年に17.8億ドルへ拡大
2025年05月09日(本日)00時00分 公開
カンボジアの電子商取引市場、25年に17.8億ドルへ拡大

<写真:Khmer Times>

 

カンボジア商業省が発行するiTrade Bulletinによれば、同国の電子商取引(Eコマース)市場は2025年に17億8000万ドル規模へと拡大する見通しである。

 

これは2024年の15億1000万ドルから17.88%の年平均成長率(CAGR)を記録する計算となり、同市場は国内総生産(GDP)の6.68%を占める水準に達する見込みである。

 

現在、カンボジアはASEAN全体のEコマース市場において1.3%のシェアを有している。

 

ASEAN域内の市場規模は、2024年の1163億6000万ドルから2025年には1372億4000万ドルに拡大する予測となっており、地域全体での成長も顕著である。

 

国内における販売プラットフォームとしては、Facebook、TikTok、TelegramなどのSNSが主要な役割を果たしており、ソーシャルコマースの急成長を後押ししている。

 

決済手段ではQRコード決済が最も多く47.15%を占め、次いで現金(26.5%)、モバイル送金(13.3%)が続く。

 

これはモバイルバンキングの普及により、デジタル決済への信頼が高まっていることを反映している。

 

決済インフラにおける金融機関の存在感も大きく、ABA銀行が46.89%のシェアを持つトップとなっており、次いでACLEDA銀行(30.90%)、Wing銀行(17.02%)が続く。

 

モバイル契約数は2190万件に達しており、同程度のインターネットユーザー数を背景に、Eコマースの基盤が急速に拡充している状況である。

 

消費者の購買行動はオンライン中心へと移行しつつあり、月次でのオンライン購入が一般化している。1回あたりの購入金額では11〜50ドルが最多となっており、人気商品としてはファッション(23%)、食品・飲料(20%)、美容・パーソナルケア(19%)、電子機器(14%)が挙げられる。

 

政府は安全で競争力のあるEコマース環境の整備を進めており、信頼マーク制度の導入、2021〜2035年を対象としたデジタル経済政策、電子商取引事業許可の手続き簡素化など、複数の施策を展開している。

 

また「今買って後で支払う(BNPL)」モデルの普及も進行中であり、これが消費者の購買行動に新たな変化をもたらしている。

 

一方、デジタルクリエイターであるソパット・チー氏は、カンボジアのEコマース市場は依然として発展途上にあり、機能性や普及面ではまだ課題が残っていると指摘する。

 

ただし、Eコマースが雇用創出や伝統的ビジネスのデジタル化を促進し、少資本での起業を可能にするなど、経済全体に対して大きな恩恵をもたらしている点を評価している。

 

現在、カンボジア国内には著名なローカルEコマースプラットフォームが存在しておらず、多くの消費者はTaobaoやLazadaなどの海外サイトを利用している。

 

この状況を受け、LodaやZTOなどの国際配送業者の市場参入も進展しており、今後の物流網整備が注目される。

 

 

 

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