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<写真:Khmer Times>
カナダ政府は、カンボジア・プノンペンにある外交事務所を大使館へと格上げし、2025年にも常駐大使を派遣する方針を示した。この決定は、2024年にラオス・ビエンチャンで開催されたASEAN首脳会議において、ジャスティン・トルドー首相が発表した外交戦略の一環である。
在カンボジア・カナダ大使館事務所は2月3日、プレスリリースを発表し、カナダが長年にわたりカンボジアの平和と安定に貢献してきたことを強調した。
「1954年以降、1000人以上のカナダ軍兵士がカンボジアに派遣されていると推定される」と同大使館は述べている。
カナダの支援の中でも特に重要なのが、1992年から1993年にかけての国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)への関与である。同国は軍事要員や財政支援を提供し、1991年のパリ和平協定の履行とカンボジアの民主化移行を後押しした。
今回の発表は、カナダ海軍のフリゲート艦「HMCSオタワ」がカンボジア南部のシアヌークビルに寄港した直後に行われた。カナダ大使館の声明によれば、同艦は2月1日から4日までカンボジアを訪問し、防衛協力の深化やインド太平洋地域におけるカナダの関与強化を目的としている。
カナダとカンボジアの外交関係は1952年に遡り、カンボジアのフランスからの独立以前から続いている。カナダはカンボジアにとって重要な開発パートナーであり、政府開発援助(ODA)の供与国としては第10位に位置する。2022~2023年度には約2310万ドルのODAを提供した。
また、2024年11月にシェムリアップで開催された対人地雷禁止条約(オタワ条約)再検討会議において、カナダはカンボジアの地雷および不発弾除去活動に対し210万ドルの追加支援を表明した。これにより、同国への累計支援額は5000万ドルを超えた。
経済関係も拡大しており、カナダはカンボジアの第7位の貿易相手国となっている。2023年には、カンボジアからカナダへの輸出額が21億ドルに達した。こうした貿易関係の強化を背景に、カナダの経済ミッションとして60人以上の企業関係者が5月にプノンペンを訪問する予定である。
アジアン・ビジョン・インスティテュート(AVI)のチェン・キムロン所長は、「両国が外交関係を全面的に強化することは、相互の政治的信頼を示すものであり、今後の関係発展にとって非常に良い兆候である」との見解を示した。
また「カンボジアは東南アジアおよびアジア太平洋地域で積極的な役割を果たしており、特定の分野では指導的立場にもある。カナダ政府は、米国の保護主義政策の影響を受ける中で、国際的な関係を強化する動きを進めている。一方、カンボジアも北米市場との関係を拡大する重要性を認識している」と分析した。
カナダの大使館設置は、両国の外交、経済、文化、安全保障など幅広い分野での協力を一層強化する契機となる見通しである。
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