カンボジア国境に壁建設を検討、タイの人身売買・麻薬密輸対策

カンボジア国境に壁建設を検討、タイの人身売買・麻薬密輸対策
2025年02月19日(水)00時00分 公開
カンボジア国境に壁建設を検討、タイの人身売買・麻薬密輸対策

<写真:Khmer Times>

 

タイ政府はカンボジアとの国境沿いに全長55kmの壁を建設する案を検討している。対象地域はサケオ県アランヤプラテート地区で、人身売買や麻薬密輸の防止を目的としている。

 

ベトナムのメディアであるVNエクスプレスは15日、壁の建設計画について報じた。ただし、実現には両国間の国境画定問題を解決する必要があると指摘されている。

 

タイ国防省の報道官であるタナティップ・サワンサエン少将は、2月13日にこの提案がプムタム・ウェーチャヤチャイ副首相兼国防相に報告されたことを明らかにした。

 

同氏が前日にアランヤプラテートを視察した際、警察や陸軍、内務省の関係者によって提出されたという。

 

カンボジア側のバンテイメンチェイ州副知事兼報道官であるリ・ソヴァンナリット氏は、タイ政府による壁建設の提案について「正式な情報を受け取っていない」と述べた。

 

また「国境問題が未解決の状況では、カンボジア政府の承認なしに計画を進めることはできない」との見解を示している。

 

同氏によれば、バンテイメンチェイ州とサケオ県の地方政府は年2回会合を開き、国境を越えた犯罪、人身売買、麻薬問題などについて協議しているという。

 

タナティップ少将によると、現在、両国の国境165kmのうち55kmは有刺鉄線によって封鎖されているが、それ以外の区間は自然の地形が障壁となっている。

 

この未整備区間が違法な越境や犯罪組織による人身売買・麻薬密輸の温床となっていると指摘した。

 

地元当局は新たに55kmの壁を追加建設し、既存の有刺鉄線の防護を強化することを提案している。

 

ただし、タナティップ少将は地域社会への影響を慎重に評価する必要があるとし、領有権問題が未解決の地域を避けて建設する方針を示している。

 

 

 

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