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<写真:Khmer Times>
カンボジア国民議会は5月13日、急速に進行する人口動態の変化に対応すべく、高官フォーラムを開催し、人口政策に関する包括的な国家戦略の方向性を議論した。会合には国連人口基金(UNFPA)をはじめとする国際機関の専門家、政府高官、国会議員など、計180人が出席した。
本フォーラムでは青年雇用、母子保健、高齢化対応、ジェンダー平等といった、今後5年間における主要な人口課題が議題の中心となった。フオン・スダリー国民議会議長は人口動態の理解が国民の実情に即した立法には不可欠であると述べ、証拠に基づく政策形成の重要性を強調した。
人口政策の中核機関である「人口と開発に関する特別委員会」は、2021年に設立され、22の政府機関および市民社会組織が参画している。委員長を務めるビン・トラクヘイ計画相は関係各省庁の連携により、国民のライフサイクル全体を支える政策の実現が可能になるとの見解を示した。
会合では人口動態の現状と将来を分析した技術文書「カンボジアの人口変化に備えた計画」の草案も提示された。同文書は医療、教育、雇用、社会保障の各分野における政策方針を明示しており、今後、国会議員による政策立案の実務的な指針として活用される予定である。
こうしたカンボジアの取り組みは国際社会からも注目されており、ニューヨークで開催された国際会議では同国が域内で初めて人口問題に特化した政府間委員会を設置した例として高く評価された。
さらに、国連カンボジア・カントリーチーム(UNCT)は政府の中長期開発方針である「五角戦略第1段階」への支援を通じて、保健、気候変動対応、経済多様化、社会的包摂といった複数分野で成果を上げてきた。2024年の年次報告書によれば、プライマリーヘルスケアを基盤としたユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進により、32万7000人以上が感染症対策の支援を受け、ワクチン接種率は95%を超える水準に達した。
加えて、障害者法、児童保護法、女性に対する暴力防止国家行動計画第4期、HIV終息に向けた国家政策など、複数の法制度改正も実施されている。
国連常駐調整官ジョー・ショイヤー氏は2024年から始動した国連協力枠組みに基づき、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた前進が確認されていると述べた。今後も人権の尊重、ジェンダー平等、脆弱層への支援を最優先事項とし、包摂的な社会の構築を目指す姿勢が示された。
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