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<写真:Khmer Times>
カンボジアは労働年齢人口の増加において地域内で最大の伸びを見せており、この人口ボーナスは適切な政策を実施することで、経済的な利益をもたらす可能性が高い。
メコン・ストラテジック・キャピタル(MSC)の最近の調査報告によると、2021年〜2050年にかけてカンボジアの労働年齢人口は24%増加すると予測されており、近隣諸国と比較して圧倒的な数値である。
ベトナムでは1%の増加、タイでは23%の減少、中国では22%の減少が予測されている中で、カンボジアは明らかに有利な立場となっている。
しかし、この人口ボーナスを経済的優位性に変え、2030年までに上位中所得国、2050年までに高所得国を目指すカンボジアの目標が達成可能かどうかが重要な課題である。
同報告書はカンボジアが若年層の労働力を生かし、20年以上の急速な経済成長を見込めると指摘する一方で、他国が人口ボーナスを活かせなかった事例から学び、適切な政策を実施する必要があるとしている。
カンボジア人口約1600万人のうち60%以上が35歳未満で、労働力参加率は約80%に達しており、若く活発な労働力が経済の各分野で貢献可能な状況にある。
さらに、識字率も急速に向上しており、2019年には約90%に達している。
地政学アナリストでプノンペン王立大学国際研究・公共政策研究所の講師であるトン・メンデイヴィッド氏によると、カンボジアの人口ボーナスは大きな可能性を秘めているが、それを適切に管理することが重要である。
また、STEM(科学、技術、工学、数学)教育や生産性向上のためのソフトスキルに対する投資が不可欠であり、投資環境の整備や法的手続きの簡素化、税制優遇策によって、さらなる海外直接投資を呼び込むべきであるという。
同氏はカンボジアが労働集約型経済から高付加価値型産業へ移行することも必要であるとして、農業の近代化やデジタル経済、グリーン産業などが成長の鍵となると述べた。
インフラ整備も重要であり、物流、交通、エネルギー、インターネット接続の改善が経済活動を効率化し、特に地方に繁栄をもたらす可能性が高いと付け加えた。
技術専門家のニラジ・グプタ氏も、教育と技能開発への戦略的な投資がカンボジアの若年層を経済的繁栄へ導く鍵であると強調している。
同氏はSTEM教育や職業訓練を通じて、急速に進化するグローバル経済に対応可能な労働力を育成する必要があると述べた。
カンボジアは、国内の中・高技能労働者の雇用機会を創出するために、専門的な訓練プログラムを提供し、国内の労働力を確保することが求められている。
カンボジア中国商工会のロル・ビチェット副会長は、労働力の流出に対処するために、さらなる外国直接投資の促進と労働市場の改革が必要であると述べている。
2023年11月には、フン・マネット首相が、貧困層や脆弱な家庭の若者150万人を対象とした国家職業訓練プログラムを開始した。
同プログラムは、若者に少なくとも1つの生活技能を提供し、所得向上を図ることを目指している。
カンボジアが2050年までに高所得国となるためには、教育やデジタルインフラへの投資、デジタルリテラシーの普及、そして起業家精神の育成が必要である。
また、各産業の市場ニーズに応じた技能開発と教育機関、民間企業、政府の連携強化も求められている。
カンボジアの人口ボーナスを最大限に活用し、持続可能な経済成長を実現するためには、これらの改革が不可欠である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。